最新記事

ドラマ

イカゲーム、物語をより奥深くする「韓国文化」という「隠し味」を解説

5 LOST KOREAN ELEMENTS

2021年12月14日(火)12時29分
スー・キム

5. 子供時代の思い出

211116P26_HON_03.jpg

EVERETT COLLECTION/AFLO

ゲームの参加者が最初にプレーする子供の遊びは、実は「レッドライト、グリーンライト」ではない。参加者候補がそれぞれセールスマン(コン・ユ)とやる「タッチチギ」、つまりメンコだ。

タッチチギは韓国では一般的な子供の遊びで、このゲームだけルールが説明されていない。自分のメンコを相手のメンコにたたきつけて裏返すことができれば自分のものになり、最終的なメンコの数を競う。

もう1つ、やはり韓国の伝統を感じさせる要素だが英語版では分かりにくいのは、第3話「傘をさした男」でギフンが弁当(韓国語で「トシラク」)を食べる場面だ。弁当は韓国の学校生活に欠かせないもので、ギフンは昔、弁当を学校の練炭ストーブで温めていたことを思い出す。そうするとご飯が「ヌルンジ」になるからだ。

ヌルンジというのは米を炊いたときに鍋の底にできるおこげのこと。近頃ではなかなかお目にかかれない「珍味」だ。最近はほとんどの韓国人が電気炊飯器を使うようになったので、おこげはあまりできない。

202412310107issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年12月31日/2025年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2025」特集。トランプ2.0/AI/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済…[PLUS]WHO’S NEXT――2025年の世界を読む

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

サウジ系ファンド、任天堂株の保有比率4.19%に下

ワールド

新たなブイ確認は極めて遺憾、中国に撤去要求=林官房

ワールド

ガザ空爆で10人死亡、メディア車両攻撃で記者死亡

ワールド

タイ輸出、11月は前年比+8.2% 予想とほぼ一致
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシアの都市カザンを自爆攻撃
  • 4
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 5
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 6
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 7
    韓国Z世代の人気ラッパー、イ・ヨンジが語った「Small …
  • 8
    ウクライナ特殊作戦による「ロシア軍幹部の暗殺」に…
  • 9
    日本企業の国内軽視が招いた1人当たりGDPの凋落
  • 10
    中国経済に絶望するのはまだ早い
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 5
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 6
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 7
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 8
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 9
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 10
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中