イカゲーム、物語をより奥深くする「韓国文化」という「隠し味」を解説
5 LOST KOREAN ELEMENTS
5. 子供時代の思い出
ゲームの参加者が最初にプレーする子供の遊びは、実は「レッドライト、グリーンライト」ではない。参加者候補がそれぞれセールスマン(コン・ユ)とやる「タッチチギ」、つまりメンコだ。
タッチチギは韓国では一般的な子供の遊びで、このゲームだけルールが説明されていない。自分のメンコを相手のメンコにたたきつけて裏返すことができれば自分のものになり、最終的なメンコの数を競う。
もう1つ、やはり韓国の伝統を感じさせる要素だが英語版では分かりにくいのは、第3話「傘をさした男」でギフンが弁当(韓国語で「トシラク」)を食べる場面だ。弁当は韓国の学校生活に欠かせないもので、ギフンは昔、弁当を学校の練炭ストーブで温めていたことを思い出す。そうするとご飯が「ヌルンジ」になるからだ。
ヌルンジというのは米を炊いたときに鍋の底にできるおこげのこと。近頃ではなかなかお目にかかれない「珍味」だ。最近はほとんどの韓国人が電気炊飯器を使うようになったので、おこげはあまりできない。
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