映画やドラマ、バラエティーで炸裂する美魔女パワー ダイバーシティは人種やセクシャリティに留まらず
高齢者世代でも「女性」として活躍
エンターテイメントの本場・欧米諸国では、どのような動きがあるのだろうか。冒頭に書いたように、ハリウッドのアラフィフ女優たちの活躍は目覚ましく、何十億という高額の出演料を稼ぐ欧米女優達は、これまでもたくさん報道されてきた。
一方で、去年頃から新たな流れとして、アラフィフのさらに上、60~70代女優たちが活躍する素晴らしい作品が増え始めている。
2019年のトロント国際映画祭で初上映されたカナダ映画『And the Birds Rained Down』では、70代の女性たちのベッドシーンが描かれ話題となった。この作品を紹介したニューヨークタイムズ紙は、「監督は70代女優の裸体を見せながら、憐憫や気まずさのような感情を(観客に)抱かせない」と、年齢を重ねた裸体をそのままを映し出したこのシーンを評価する記事を報じている。
67歳のイザベル・ユペールもトップレスシーンに挑戦
フランスの女優であるイザベル・ユペールは、1953年生まれの67歳だ。2017年には、映画『エルELLE』で、第89回アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされた実力派ベテラン女優である。
今年4月に日本でも公開されたイザベル主演の映画『ポルトガル、夏の終わり』では、上半身裸のトップレスシーンを好演し話題を集めた。「ベッドシーンは若い俳優たちのもの」という常識はすでに崩れつつあるのだろう。
同じような年代の俳優を使い回し似たような作品ばかり作っていては、薄っぺらな作品の束にしかならない。性別や人種など、ここ数年多様性を重視するようになってきたエンターテインメント業界だが、これから「年齢の多様性」という部分にも注目していきたい。