最新記事
日本社会としまえん「一緒に成長する場所だった」 閉園惜しむ人々
90年以上にわたり人気を集めてきた東京都練馬区の遊園地「としまえん」が営業を終了した。写真は従業員の安倍純子さんと光里さん。としまえんで8月21日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)
90年以上にわたり人気を集めてきた東京都練馬区の遊園地「としまえん」が31日、営業を終了した。
阿部純子さん(62)と光里さん(30)親子のような地域住民にとって、1926年開園のとしまえんは、特別な場所だ。同園で働く純子さんと光里さんがそれぞれのパートナーと出会ったのも、この場所だった。
1970年代からほぼ継続的に同園で働いてきた純子さんは、同園を「娘と一緒に楽しみたかった」と話す。自分の人生の終わりまで、同園が続くものと疑っていなかったという。
娘の光里さんは、2015年から同園で働いている。園で出会った男性と結婚が決まっており、園内で家族写真を撮りたいと考えていたという。
「生まれたときからあって当たり前の場所で、なくなるのが信じられない」
閉園を控えた同園は、新型コロナウイルス対策で来園者数を制限する措置を取ったが、訪れた人々は口々に、家族で遊びにきたり、学校遠足や成人式で訪れた思い出を振り返った。
冨澤昭好さん(54)は、「残念で悲しくて、できることなら閉園延長、あるいは存続を願ってやまない」と言う。
富沢さんは4歳のころから同園を定期的に訪れており、友人とプールで遊んだり、高校時代にはデートに来たりしていたいう。
同園の魅力の1つは、プールや飲食店、そしてジェットコースターまである多様なアトラクションだ。
田方泰子さん(56)は、友人たちとプールで遊んで花火を見たことを思い出す。
「としまえんは、一緒に成長する場所だった」
跡地には、小説や映画が人気の「ハリー・ポッター」のテーマパークが整備され、2023年前半の開業を目指すという。
【話題の記事】
・風雲急を告げるポスト安倍レース 後継候補の顔ぶれは?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・「アベノミクスは買い」だったのか その功罪を識者はこうみる
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる
2020年9月8日号(9月1日発売)は「イアン・ブレマーが説く アフターコロナの世界」特集。主導国なき「Gゼロ」の世界を予見した国際政治学者が読み解く、米中・経済・テクノロジー・日本の行方。PLUS 安倍晋三の遺産――世界は長期政権をこう評価する。