コロナ危機の今こそ見るべきパンデミック映画7選
Pandemic Films in a Pandemic
『バイオハザードII』ではミラ・ジョボビッチ演じる元特殊部隊員が街にあふれるゾンビと戦う Official Trailor/ YOUTUBE
<『コンテイジョン』『ワールド・ウォーZ』『復活の日』──今こそ見るべき7つのウイルス映画を紹介する>
新型コロナウイルスの感染拡大で、ゴールデンウイークも引きこもり生活確定。ここで鬱屈としないためには総合エンターテインメントの王者である映画を見るに限る。それもテーマはあえてウイルス・パンデミック(疫病の世界的流行)。パンデミックは映画の一大ジャンルで、これまで多くの作品が作られてきた。つらい現実を忘れるのは難しいかもしれないが、映画が生み出すスペクタクルにコロナ禍からの救いとカタルシス(魂の浄化)を見いだせる......かもしれない。
パンデミック映画の古典的な地位を占めているのは、ダスティン・ホフマン主演の『アウトブレイク』(1995年)。アフリカで発生したエボラ出血熱より強力なウイルスが、密輸入された猿を介してアメリカで感染爆発(アウトブレイク)してしまう。細菌兵器開発の秘密を抱えた陸軍の将軍によって感染地域が街ごと空爆されようとするなか、ホフマン演ずる陸軍軍医が抗血清の確保を目指す。
あえて古典的、つまり予定調和を目指さず高い評価を受けたのが、スティーブン・ソダーバーグ監督の『コンテイジョン』(2011年)だ。
中国で発生したウイルスがコウモリから子豚を経由して中華料理のシェフに感染。そのシェフと握手をしたグウィネス・パルトロウがアメリカにウイルスを持ち込み感染爆発が起きる。スーパーで物資強奪戦が起き、フリージャーナリスト(ジュード・ロウ)が特効薬のフェイクニュースを流し、感染対策の最前線で闘うCDC(疾病対策センター)の専門家が都市封鎖(ロックダウン)直前に身内に情報を漏らす......。今回とあまりにも似ている、と世界的な反響を呼んでいる映画だ。
細菌に救われることも
ゾンビ映画はもともと、墓場に埋葬されている死者が復活して街をさまよい、人間を襲う姿が見る者を恐怖させた。しかし今日では、ゾンビが誕生した科学的原因がウイルスであることを冒頭で説明するのがお約束になっている。
そんなウイルス系ゾンビ映画の傑作といえば『バイオハザードⅡ アポカリプス』(2004年)だろう。巨大企業アンブレラ社が開発した兵器型ウイルスが流出し、ラクーンシティという仮想の都市が丸ごとロックダウンされる。ウイルスを作り出した天才科学者の娘を救出するべく、元特殊部隊員のミラ・ジョボビッチが街にあふれ返るアンデッド(ゾンビ)と戦う映画だ。シリーズはその後第6作まで作られグダグダの展開になるが、この2作目は傑作だ。