最新記事

映画

コロナ危機の今こそ見るべきパンデミック映画7選

Pandemic Films in a Pandemic

2020年5月7日(木)18時30分
北島純

『バイオハザードII』ではミラ・ジョボビッチ演じる元特殊部隊員が街にあふれるゾンビと戦う Official Trailor/ YOUTUBE

<『コンテイジョン』『ワールド・ウォーZ』『復活の日』──今こそ見るべき7つのウイルス映画を紹介する>

新型コロナウイルスの感染拡大で、ゴールデンウイークも引きこもり生活確定。ここで鬱屈としないためには総合エンターテインメントの王者である映画を見るに限る。それもテーマはあえてウイルス・パンデミック(疫病の世界的流行)。パンデミックは映画の一大ジャンルで、これまで多くの作品が作られてきた。つらい現実を忘れるのは難しいかもしれないが、映画が生み出すスペクタクルにコロナ禍からの救いとカタルシス(魂の浄化)を見いだせる......かもしれない。

◇ ◇ ◇

パンデミック映画の古典的な地位を占めているのは、ダスティン・ホフマン主演の『アウトブレイク』(1995年)。アフリカで発生したエボラ出血熱より強力なウイルスが、密輸入された猿を介してアメリカで感染爆発(アウトブレイク)してしまう。細菌兵器開発の秘密を抱えた陸軍の将軍によって感染地域が街ごと空爆されようとするなか、ホフマン演ずる陸軍軍医が抗血清の確保を目指す。

あえて古典的、つまり予定調和を目指さず高い評価を受けたのが、スティーブン・ソダーバーグ監督の『コンテイジョン』(2011年)だ。

中国で発生したウイルスがコウモリから子豚を経由して中華料理のシェフに感染。そのシェフと握手をしたグウィネス・パルトロウがアメリカにウイルスを持ち込み感染爆発が起きる。スーパーで物資強奪戦が起き、フリージャーナリスト(ジュード・ロウ)が特効薬のフェイクニュースを流し、感染対策の最前線で闘うCDC(疾病対策センター)の専門家が都市封鎖(ロックダウン)直前に身内に情報を漏らす......。今回とあまりにも似ている、と世界的な反響を呼んでいる映画だ。

細菌に救われることも

ゾンビ映画はもともと、墓場に埋葬されている死者が復活して街をさまよい、人間を襲う姿が見る者を恐怖させた。しかし今日では、ゾンビが誕生した科学的原因がウイルスであることを冒頭で説明するのがお約束になっている。

そんなウイルス系ゾンビ映画の傑作といえば『バイオハザードⅡ アポカリプス』(2004年)だろう。巨大企業アンブレラ社が開発した兵器型ウイルスが流出し、ラクーンシティという仮想の都市が丸ごとロックダウンされる。ウイルスを作り出した天才科学者の娘を救出するべく、元特殊部隊員のミラ・ジョボビッチが街にあふれ返るアンデッド(ゾンビ)と戦う映画だ。シリーズはその後第6作まで作られグダグダの展開になるが、この2作目は傑作だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:アフリカのコロナ犠牲者17万人超、予想を

ワールド

米上院、つなぎ予算案可決 政府機関閉鎖ぎりぎりで回

ワールド

プーチン氏「クルスク州のウクライナ兵の命を保証」、

ビジネス

米国株式市場=急反発、割安銘柄に買い 今週は関税政
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴された陸上選手「私の苦痛にも配慮すべき」
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「天然ガス」の産出量が多い国は…
  • 8
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 9
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 10
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 8
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中