新型コロナウイルスで休業の映画館に代わり脚光 日米韓それぞれのドライブインシアター
ドライブインシアターの本場アメリカでも新型コロナウイルスの感染拡大で映画館に代わりドライブインシアターに注目が集まっている。写真はコロラド州デルタ市のドライブインシアター REUTERS / Shannon Stapleton
<新型コロナウイルスで問題になる「3密」が当てはまる映画館。だが、違った形で映画を上映しようという人びとが動き始めている>
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、世界中の映画館が営業休止を余儀なくされている。日本でも4月16日ついに緊急事態宣言が全国へと拡大された。7日に先行して出されていた7都府県では既に映画館が営業停止しているが、その他の地域の映画館も営業停止処置が進むとみられる。
そんななか、他人との接触を極力減らし映画鑑賞ができるドライブインシアターが今注目されている。
これまで日本では、ドライブインシアターは「大人のエンターテインメント」というイメージがあったようだ。たしかに自動車でないと参加できず、都市部では広い場所の確保が容易ではないため、開催は郊外で行われることが多く、そこまで出向く必要がある。こういった理由が「ドライブインシアター」=「大人のもの」というイメージにしたのかもしれない。
コロナショックで変わる日本のドライブインシアター
しかし、新型コロナの影響で映画館が営業できなくなり、観客が自動車で隔てられるドライブインシアターがにわかに注目を集めるようになり、日本でもドライブインシアターに対するイメージが少し変わりつつある。
山梨のショッピングモールラザウォーク甲斐双葉では、今月4日・5日に野外駐車場でドライブインシアターが開催された。地元の映画館「塩山シネマ」などが主催したもので、料金は500円と格安で、子供から大人まで楽しめる映画「ペット2」が上映されたという。時間帯も18時半に上映を終了するところを見ると、ショッピングを終えて、または鑑賞後外食をして帰ってもらおうという企画意図かもしれない。「ロマンチックな大人のエンタメ」ではなく、「家族みんなで気兼ねなく映画鑑賞」という印象だ。
また、野外映画上映のプロ集団Outdoor Theater Japanは、SNSを通じ、47都道府県でドライブインシアターを行うと発表し話題を呼んでいる。イベントといえば都市部に集中し地方では開催されないことが多いが、全国で行われるとなると日本中で盛り上げてほしい企画である。
ドライブインシアターの開催を目標にしたクラウドファンディングも開始された。シアタープロデュースチームDo it Theaterは、「感染拡大防止という制約こそが、新しい試みを生み出すチャンス」としてドライブインシアターを開催する予定だ。4月1日から8月7日まで250万円を集め、大磯ロングビーチでの上映が目標だという。さらに上映だけではなく、集まった資金の一部は、ミニシアター・エイド基金と、国連財団COVID-19連帯対応基金に寄付することも発表されている。
その他、川崎や広島県神石高原町、お台場駐車場など全国各地でイベントとしてのドライブイン上映会の実施が増え続けている。