生誕65周年、ゴジラの顔はこんなに変わってきた(写真15点)
2期:子ども映画の主役として、スマートに。
子ども向けの短編作品数本を同時上映する興行形態となった70年代前半、『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』『ゴジラ対へドラ』『ゴジラ対ガイガン』の3作品で使用されたゴジラは総進撃ゴジラで、そのスマートでヒーロー然とした顔つきは子どもがテレビ発のヒーローに沸く時代のゴジラにはふさわしかったのかもしれない。
73年公開の『ゴジラ対メガロ』にてゴジラは新造形されたが、その着ぐるみは頭部がやや大きめで目が大きく、口横のラインが愛嬌を感じさせる「可愛い」ものであった。このゴジラの変貌の理由は、頭部の石膏型が破損して使用できなかったことと造形チーフが替わったためなのだが、ゴジラを取り巻くムードも影響したのかもしれない。
3期:再び、銀幕のスターとして復活。
『ゴジラ』が終了して9年、復活ムードが世の中に十分に熟成された時、一般映画として『ゴジラ』は世に問われた。再生されたゴジラは恐怖の対象で、そのフォルムも初代ゴジラを現代的にリファインする作業の結果として生まれたものだ。そして映画に出現したゴジラは十分に重量感があり、人類の脅威にふさわしい怪獣となっていた。
ようやく復活したゴジラ映画を展開するにあたり、より生物感あふれるスタイルが検討され、『ゴジラvsビオランテ』にてそのゴジラはデビューした。背びれのバランスも上部に重心を置く力強いもので、以降小さな変更はあったものの、『ゴジラvsデストロイア』までのゴジラはこれを基本にして着ぐるみが制作されている。
4期:21世紀型ヒーローの模索、さまようゴジラ
3年間の休止を経て再び復活したゴジラは、スタイルを一新させていた。前傾姿勢で燃え上がる炎をモチーフとした巨大で鋭角的な背びれ、体色もそれまでの黒から濃緑色。『ゴジラ2000』『ゴジラ×メガギラス』のゴジラはまさに21世紀型といえよう。『ゴジラ×メカゴジラ』などのゴジラも同デザインだが、直立姿勢で色調が変わった。
2001年の『大怪獣総攻撃』は、監督の金子修介の希望で昭和スタイルへと先祖返りし、対決怪獣を極めて小さくし、2mを超えるゴジラの着ぐるみにした。ゴジラの属性は太平洋戦争の「無念」「怨念」で、初代と相通じる部分も多い。2004年の『ゴジラ FINAL WARS』もデザインは昭和スタイル、アクション向きの造形にされている。
<Pen+(ペン・プラス)『完全保存版 ゴジラ、再び。』掲載>
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1954年11月3日、日本が世界に誇る唯一無二のキャラクター、ゴジラが誕生した。東京湾から上陸したゴジラが銀座の街を破壊する圧倒的迫力に、観客は心を奪われた。その後、これまでに30作以上のゴジラ映画が製作され、シリーズ累計動員数も、日本だけで1億人を突破。2016年の『シン・ゴジラ』の大ヒットも、記憶に新しい。
そして、ゴジラ生誕65周年となる今年、ハリウッド版ゴジラの最新作であり超大作、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』として、銀幕に再びゴジラが帰ってくる。ゴジラ、ラドン、モスラ、そしてキングギドラ――怪獣たちの壮絶なバトルに息をのむ。マイケル・ドハティ監督が、ゴジラ愛全開でつくった最新作紹介はもちろんのこと、誕生秘話から全作品解説、ライバル怪獣まで、ゴジラのすべてがわかる完全保存版。