ビートルズゆかりの地を巡る、日本初の「使える」旅行記を作った
思わぬ縁といえば、ポール・マッカートニーが今年の6月と7月にリヴァプールを久しぶりに訪れ、ペニー・レインやポールが63年まで住んでいた自宅に行っただけでなく、フィルハーモニック・ダイニング・ルームやキャヴァーン・クラブでもライヴを披露した。いずれも昨年足を運んだところばかりだ。
しかも12月にはリヴァプールとロンドンでライヴも行なう(その前に日本にも来ますね)。まるで「本書を片手にイギリスに行くように!」とポールが言ってくれているかのようなものだ(と、すごく都合のいい、まったくもって身勝手な解釈...)。9月7日に出る新作『エジプト・ステーション』収録曲のプロモーション・ヴィデオもリヴァプールで撮影したようなので、本書の増補・改訂版が出た暁には(?)、その撮影場所も「ゆかりの地」として加わることになるかもしれない。
...と、つらつらと書いてきたが、日本どころか世界でも皆無と言っていいのが、本書に掲載された、ビートルズマニアの辻野良晃氏による4点の地図だ。見開きで掲載されたその地図には、ロンドンとリヴァプールの主要なゆかりの地がほぼすべて掲載されている。しかも遊び心も加えて、である。
ぜひ、その地図を眺め、ゆかりの地の解説を読みながら、12月にイギリスで行なわれるポールのライヴを楽しんでいただければ、と願っている。
77 ビートルズ像
The Beatles Statue
Pier Head,Liverpool,L3 1BY
アルバート・ドックに隣接しているピア・ヘッドは、リヴァプールにある埠頭のひとつ。「スリー・グレイシズ(美をつかさどる3女神)」と呼ばれる、産業革命以降の繁栄を今に伝える3つの建物「ロイヤル・ライバー・ビルディング」「キュナード・ビルディング」「ポート・オブ・リヴァプール・ビルディング(ドック・ビルディング)」がそびえ立ち、2004年には「リヴァプール海商都市」の名称でユネスコ世界遺産に登録された。フェリー乗り場や「ビートルズ・ストーリー」の別館もあるここピア・ヘッドに、2015年12月4日、ビートルズ4人の大きな銅像がお目見えした。これは、エンパイア・シアターでのビートルズのイギリス最終公演から50周年を記念したもので、ジョンの妹ジュリア・ベアードによって除幕式が行なわれた。"63年のビートルズ"をイメージして作られたこの銅像の作者は、彫刻家アンディ・エドワーズ。キャヴァーン・クラブを運営するキャヴァーン・シティ・ツアーズから委託され、20万ポンドの製作費をかけた1.2トンにも及ぶこの像は、リヴァプール市に寄贈され、リヴァプールの新たな観光スポットとして人気を集めている。(137ページより)
『ビートルズはここで生まれた 聖地巡礼 from London to Liverpool』
藤本国彦 著
CCCメディアハウス
藤本国彦
1961年東京生まれ。1991年(株)音楽出版社に入社し、CDジャーナル編集部に所属(2011年に退社)。2015年にフリーとなり、ビートルズ関連書籍の編集・執筆や、東京・アップリンク渋谷でのトーク・イベント、名古屋・栄中日文化センターでの講座などビートルズの関連事業を手掛ける。主な編著は『ビートルズ213曲全ガイド』、『ビートルズ・ストーリー』シリーズ、井上ジェイ著『ビートルズUK盤コンプリート・ガイド』、鈴木惣一朗著『マッカートニー・ミュージック』、朝日順子著『ビートルズは何を歌っているのか?』(以上、音楽出版社)など。映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years』の字幕監修(ピーター・ホンマ氏と共同)も担当。
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