【影響力を上げる】ひとりの声が行政に届いた...前橋市が実現した支援の仕組み

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<たったひとりの活動が、1つの自治体を動かし、3つの自治体に広がった。限界を超える「仕組み」のつくり方とは?>
*本稿は、個人、行政、民間の連携による持続可能な支援活動の仕組みづくりを実践してきた河村正剛氏の著書『影響力を上げる タイガーマスク運動を始めた人の「つなぐ力」』(CCCメディアハウス)より、一部を抜粋、加筆・編集したものです。
前稿では、社会の注目を集めた「タイガーマスク運動」の戦略について紹介した。その後、匿名の個人による寄付活動は全国に広がった。しかし、個人の善意に依存する支援には限界がある。支援を持続可能なものにするために、タイガーマスク運動を始めた人は正体を明かした。そして......。
「個人の支援活動」に限界を感じて正体を明かした結果
後楽園ホールのリングで正体を明かした翌日、メディアの反響は大変なものでした。そこに思いがけない連絡が入りました。前橋市の山本龍市長(当時)からでした。私に会いたいとおっしゃるというのです。
市長が私の連絡先を知るはずもありませんが、偶然にも児童相談所の所長さんが市長の高校の同級生だったのです。
「河村さん、テレビで大騒ぎになっていますよ。実は前橋市長が私の高校時代の同級生なんです。会いたいと言っているんですが......」