円安の今こそ買いたい銘柄は「円安じゃなくても」の日本企業
確かに、インバウンドによる「爆買い」が流行語大賞となった2015年の円相場は、各月の仲値平均で111.04円。対して現状のドル・円相場は148円台後半。インバウンドにとり日本市場は「買い物天国」の環境にある。「ブランド品も、自国で買うより日本で買ったほうが安くて得」。水際緩和策発表前の8月中旬と比べ、10月の国際線の発着予約件数は2〜3倍に増えているという。ANAホールディングス<9202>のほか、日本空港ビルデング<9706>なども穴株かもしれない。
テーマとして対応するなら、2015年の売上・利益成長企業を振り返ってみるのも手。ビジネスホテルを展開する共立メンテナンス<9616>、菓子大手の寿スピリッツ<2222>などはインバウンド需要で実績組。ドラッグストア「最後の再編」を通過し店舗数で2位以下に圧倒的な差をつけた、マツキヨココカラ&カンパニー<3088>なども恩恵が期待できそうである。
[執筆者]
千葉 明(ちば・あきら)
東京証券取引所の記者クラブ(通称・兜倶楽部)の詰め記者を振り出しに、40年以上にわたり、経済・金融・ビジネスの現場を取材。現在は執筆活動のほか、講演活動も精力的に行う。『野村證券・企業部』『ザ・ノンバンク』『円闘』など著書多数。