株式市場にもブーム到来、サブスク銘柄は本当に儲かるのか?
■株価成長に寄与する収益の安定性&継続性
株価が中長期的に上昇するためには「収益の安定性」が重要となる。
機関投資家を中心にファンダメンタルズ分析を行う投資家は、3~10年ほどの業績をある程度想定し、それをベースに妥当な株価水準を見定めていく。その際、収益が安定的(年によって大きく変動しない)ならば、その予想はある程度、現実を捉えたものになる。
しかし、収益に安定感がなければ業績予想の意義は薄くなり、こうした投資家の目線からすると不透明感が強く、ハイリスクな投資になる。そしてハイリスクということは、それだけで妥当な株価を算出する際にディスカウントされてしまうのだ。
「安定的な収益」というといまひとつイメージができないかもしれないが、要するに「ブレの少ない継続的な収益がどれだけ見込めるか?」ということだ。
その点、サブスクについてはかなりイメージしやすいのではないだろうか。契約が続く限り、サービスを提供する企業には継続的な収益が発生する。サービスについて顧客満足度が高ければ継続期間が長くなるので、単純な収益額の増加はもちろん、収益の安定感・継続性も高まることになるわけだ。
収益安定業種はサブスクだけじゃない
当然のことながら、収益が安定的・継続的な業種はサブスクだけではない。
身近なところで言えば、電気・ガスが挙げられる。日々の生活の中で、誰もが電気料金やガス料金を毎月支払っているだろう。季節によって支払う額は多少変わるものの、電力会社やガス会社からすれば、顧客数や顧客から受け取る料金は毎年ほぼ一定であり、極めて安定的・継続的な収益を上げている。
また、不動産運用もわかりやすい例だ。不動産運用とは、不動産を購入し、それを個人や法人に貸し付けて毎月賃貸料を受け取るビジネスのこと。個人の場合は投資用マンションの購入と同じ仕組みなので、イメージしやすいのではないだろうか。
同様に、銀行業も安定的・継続的な収益を得る事業である。預かった資金を融資することで、支払利息と受取利息の差である利ザヤを安定的に得る仕組みだ。