最新記事

株の基礎知識

株式市場にもブーム到来、サブスク銘柄は本当に儲かるのか?

2022年7月18日(月)13時30分
石津大希 ※かぶまどより転載

■株価成長に寄与する収益の安定性&継続性

株価が中長期的に上昇するためには「収益の安定性」が重要となる。

機関投資家を中心にファンダメンタルズ分析を行う投資家は、3~10年ほどの業績をある程度想定し、それをベースに妥当な株価水準を見定めていく。その際、収益が安定的(年によって大きく変動しない)ならば、その予想はある程度、現実を捉えたものになる。

しかし、収益に安定感がなければ業績予想の意義は薄くなり、こうした投資家の目線からすると不透明感が強く、ハイリスクな投資になる。そしてハイリスクということは、それだけで妥当な株価を算出する際にディスカウントされてしまうのだ。

「安定的な収益」というといまひとつイメージができないかもしれないが、要するに「ブレの少ない継続的な収益がどれだけ見込めるか?」ということだ。

その点、サブスクについてはかなりイメージしやすいのではないだろうか。契約が続く限り、サービスを提供する企業には継続的な収益が発生する。サービスについて顧客満足度が高ければ継続期間が長くなるので、単純な収益額の増加はもちろん、収益の安定感・継続性も高まることになるわけだ。

収益安定業種はサブスクだけじゃない

当然のことながら、収益が安定的・継続的な業種はサブスクだけではない。

身近なところで言えば、電気・ガスが挙げられる。日々の生活の中で、誰もが電気料金やガス料金を毎月支払っているだろう。季節によって支払う額は多少変わるものの、電力会社やガス会社からすれば、顧客数や顧客から受け取る料金は毎年ほぼ一定であり、極めて安定的・継続的な収益を上げている。

また、不動産運用もわかりやすい例だ。不動産運用とは、不動産を購入し、それを個人や法人に貸し付けて毎月賃貸料を受け取るビジネスのこと。個人の場合は投資用マンションの購入と同じ仕組みなので、イメージしやすいのではないだろうか。

同様に、銀行業も安定的・継続的な収益を得る事業である。預かった資金を融資することで、支払利息と受取利息の差である利ザヤを安定的に得る仕組みだ。

(参考記事)DX銘柄は本当に儲かるの? 政府も強力プッシュの国策テーマ株の実力

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 10
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中