あなたが思う正しさが目の前で否定されているとき、あなたは怒りを感じる
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<怒ることのメリット、そして「アンガーマネジメント」は誤解が多い。怒りとは、そもそも何なのか>
「怒りは、自分の大切なものを守るためにある感情」――と言うのは、アンガーマネジメントの日本の第一人者である日本アンガーマネジメント協会代表理事、安藤俊介氏。
「アンガーマネジメント」という言葉はすでに市民権を得ているが、怒りっぽい人に必要なものという一般的なイメージと異なり、うまく怒れない人にも役立つものだという。
つまり、「怒りと上手に付き合うメソッド」というわけだ。
安藤氏はこのたび、『タイプ別 怒れない私のためのきちんと怒る練習帳』(CCCメディアハウス)を出版した。
怒れない人を6つのタイプに分類し、「人と比べられたら」「マウントをとられたら」「すぐに謝っちゃうときは」など、34のケース別に「怒り方」の選択肢を提示。
本書から3回に分け、抜粋するシリーズの第2回。怒ることのメリットとして一般的に挙げられることにも、大きな誤りがあるという。
※第1回はこちら:怒りは自分を守る盾。「怒れない人」にこそ必要なアンガーマネジメントの極意
怒ることの「メリット」とは?
一般的に怒ることのメリットとして挙げられるのは、「ストレス発散になる」「すっきりする」「相手をコントロールできる」などです。しかし、これらは正しいメリットとは言えません。なぜなら、お互いにとって健全なものとは言えないからです。
怒ることでストレス発散する人は、ストレスが溜まれば溜まるほど強く怒ります。怒ってすっきりする人は、すっきりしたいから怒ります。怒って相手をコントロールする人は、未熟でわがままなだけです。
では、怒ることの正しいメリットとは何でしょうか。
先にも述べた通り、怒りは大切なものを守るために備わっている感情です。大切なものを守れるというのはつまり、考え方や価値観が否定されなくなったり、立場が悪くなるのを防げたり、嫌なことや面倒なことを押し付けられなくなったりする、ということです。効果的に怒ることは、自分のことをバカにしたり、軽く扱ったり、貶めようとしたりする人たちから自分を守る盾になるのです。
ただ、モヤモヤしてしまうことの多いあなたは、大切なものを守ろうと怒りを生み出すことには成功しているものの、怒ることによって得られるメリットを最大限には受け取れていません。