あなたが思う正しさが目の前で否定されているとき、あなたは怒りを感じる
世の中にあるおかしなこと、間違っていると思うことを変えようとする時にも、そこには怒りがあります。大きな話になりますが、これまでの人類の歴史を振り返った時、すべての革命の裏には怒りがあります。もちろん、すべての革命が善行だったとは言えませんが、少なくとも、多くの人が社会に対しておかしさや不満を感じ、怒りをもって行動した結果、革命にいたったのです。
あなたも怒ることで、今のモヤモヤを解決できます。怒ることをためらわないでください。怒りは悪ではありません。怒りを上手に活用すればよいだけのことです。
効果的に怒れば、自分を守る盾になる。小さな革命を起こそう。
あなたのモヤモヤの「正体」とは?
怒りのメリットがわかったところで、少し話を戻しましょう。
そもそも、なぜ怒りは生まれるのでしょうか。それがわかれば、あなたのモヤモヤの正体もわかります。
ズバリ言います。あなたのモヤモヤの正体は、あなたが正しくまっとうに生きようとすることへのこだわりと、現実の間にあるギャップです。
つまり、怒りを感じる時は「あなたが思う正しさが目の前で否定されている時」です。「あなたの理想が目の前で裏切られる時」とも言い換えることができます。
例えば、あなたが見ず知らずの人に親切にした場合、あなたは「誰に対しても親切であることは正しいし、周りの人もそうであってほしい」と思っています。
ところが、それを見ていた知人が「お人好しだねー、なんでそんなことするの? 放っておけばいいのに」と言ったら、その発言はあなたの正しさを否定するものです。
こういう時、あなたが思うのは「そんなことは言うべきじゃない」「そんなことを言っていいはずがない」といったことです。
あなたが思う正しさは、「~べき」「~はず」という言葉に象徴されます。「約束は守るべき」「人は正直なはず」といった具合です。「常識」「当たり前」「普通」などの言葉も、正しさを指す意味で使われています。
あなたが持っている「~べき」「~はず」の数だけ、あなたはモヤモヤする可能性があります。
逆に言えば、この「~べき」「~はず」と上手に向き合うことができれば、モヤモヤして悩む回数を減らせるのです。
では、どうすれば「~べき」「~はず」と上手に向き合えるようになるのでしょうか。そもそも、上手に向き合えるようになるとは一体どういうことなのでしょうか。その具体的な方法は、次ページ以降で詳しく解説します。
正しさと現実のギャップ、それこそがモヤモヤの正体。
※第3回はこちら:他人から見下されてムカついたら、有効な「怒り方」の選択肢は3つある
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