最新記事

メンタルヘルス

あなたが思う正しさが目の前で否定されているとき、あなたは怒りを感じる

2022年7月14日(木)16時15分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

世の中にあるおかしなこと、間違っていると思うことを変えようとする時にも、そこには怒りがあります。大きな話になりますが、これまでの人類の歴史を振り返った時、すべての革命の裏には怒りがあります。もちろん、すべての革命が善行だったとは言えませんが、少なくとも、多くの人が社会に対しておかしさや不満を感じ、怒りをもって行動した結果、革命にいたったのです。

あなたも怒ることで、今のモヤモヤを解決できます。怒ることをためらわないでください。怒りは悪ではありません。怒りを上手に活用すればよいだけのことです。


効果的に怒れば、自分を守る盾になる。小さな革命を起こそう。

あなたのモヤモヤの「正体」とは?

怒りのメリットがわかったところで、少し話を戻しましょう。

そもそも、なぜ怒りは生まれるのでしょうか。それがわかれば、あなたのモヤモヤの正体もわかります。

ズバリ言います。あなたのモヤモヤの正体は、あなたが正しくまっとうに生きようとすることへのこだわりと、現実の間にあるギャップです。

つまり、怒りを感じる時は「あなたが思う正しさが目の前で否定されている時」です。「あなたの理想が目の前で裏切られる時」とも言い換えることができます。

例えば、あなたが見ず知らずの人に親切にした場合、あなたは「誰に対しても親切であることは正しいし、周りの人もそうであってほしい」と思っています。

ところが、それを見ていた知人が「お人好しだねー、なんでそんなことするの? 放っておけばいいのに」と言ったら、その発言はあなたの正しさを否定するものです。

こういう時、あなたが思うのは「そんなことは言うべきじゃない」「そんなことを言っていいはずがない」といったことです。

あなたが思う正しさは、「~べき」「~はず」という言葉に象徴されます。「約束は守るべき」「人は正直なはず」といった具合です。「常識」「当たり前」「普通」などの言葉も、正しさを指す意味で使われています。

あなたが持っている「~べき」「~はず」の数だけ、あなたはモヤモヤする可能性があります。

逆に言えば、この「~べき」「~はず」と上手に向き合うことができれば、モヤモヤして悩む回数を減らせるのです。

では、どうすれば「~べき」「~はず」と上手に向き合えるようになるのでしょうか。そもそも、上手に向き合えるようになるとは一体どういうことなのでしょうか。その具体的な方法は、次ページ以降で詳しく解説します。


正しさと現実のギャップ、それこそがモヤモヤの正体。

※第3回はこちら:他人から見下されてムカついたら、有効な「怒り方」の選択肢は3つある

タイプ別 怒れない私のためのきちんと怒る練習帳
 安藤俊介 著
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中