最新記事

株の基礎知識

株で勝てる人の勉強法 「一流の投資家」が読む本・読まない本

2021年12月21日(火)10時50分
朋川雅紀 ※かぶまどより転載

Satoshi-K-iStock.

<株式投資で儲けられるようになるためには、勉強が不可欠。ウォーレン・バフェットの片腕チャーリー・マンガーも、こう言っている。「貪欲に本を読まないで成功している投資家は、ひとりも知らない」>

上達の実感は、ある日突然に

株式投資に限らず、多くの学習は、時間を費やしたからといって直線状には上達しません。費やした時間に比例して結果が出れば、モチベーションも維持できるのですが、残念ながら、実際はそうではありません。

私が初めてニューヨークへ行ったとき、流暢に英語を話すことができませんでした。そこで、一念発起して、もう一度、英語を勉強し直すために英会話学校に通うことにしました。

しばらくの間は手応えがなかったのですが、英会話学校に通い始めて半年くらい経った頃でしょうか。突然、英語が上達したのを実感しました。

■上達は「直線」ではなく「階段」で

まさに突然という感じでした。うまい表現方法は見つかりませんが、点と点が結ばれて線になる感覚です。

毎日努力すれば、点の数はどんどん増えていきます。ただ、点は断片的なものです。点だけではいくら増えても効果は発揮できません。線となって初めて効力を発揮するものです。

物事が上達するときは、「階段状」になるのではないでしょうか。しばらく頑張っていると、ある日突然、上達を実感する。またしばらく頑張っていると、ある日突然、再び上達を実感する。その繰り返しではないかと思っています。

その"ある日"が来る前に止めてしまうと、何も達成感を得られず、時間が無駄だったと感じてしまうかもしれません。

■株の上達は、英語ほどには早くない

ただ、残念なことに、英会話とは違って、株式投資においては半年くらいで上達を実感することはできません。

なぜなら、上げ相場と下げ相場を両方経験してはじめて、上達を実感できるからです。ですから、最初の上達を実感できるまでには、最低でも3~4年はかかるでしょうか。かなりの忍耐が必要になります。その代わり、その後は早いです。加速度的に上達を実感できます。

「結果は後からついて来る」という長期的なスタンスが必要です。正しいことをしていれば、良い方向に向かいます。やはり、日頃の地道な努力が大切ということです。すぐに結果を求めず、忍耐強く続けることが、投資の唯一の上達方法だと思います。

一流のシェフになろう!

突然ですが、「最高の料理」を提供するための条件は何だかわかりますか? その答えは、「最高の食材」と「腕のある料理人」です。どちらが欠けても、最高の料理はできません。

一流のシェフは「最高の食材」と「悪い食材」を見分けることができます。悪い食材を売り込むような業者がいれば、即刻出入り禁止となります。だから、シェフに気に入ってもらうためには、業者は良い食材を持ってくるようになります。その結果、一流のシェフには良い食材が集まってくるものなのです。

また、一流のシェフは良い食材の探し方も心得ています。様々な人脈を使って、二流のシェフでは手に入らない良い食材を手に入れることができるのです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 6
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 10
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中