最新記事

働き方

「残業時間別」で見た日々の暮らしと仕事のリアル 10時間、40時間、80時間、200時間──最も不幸を感じるのは?

2021年6月18日(金)20時10分
トイアンナ(ライター・起業家) *東洋経済オンラインからの転載

業種にもよりますが、休日出勤はごくまれ。あったとしても、代休を申請できるため平日が休みに置き換えられます。大手企業の子会社、グループ会社がこの残業時間に多いこともあって、GWやお盆などの工場が止まる大型連休は会社が契約している宿泊施設などで家族水入らず、なんて福利厚生を楽しめるのもこのグループです。

シキホー!Mine(就職四季報 2022年版)の掲載会社から探すと、以下のような会社が月の残業40時間以下の会社となります。


東レエンジニアリング(東京都):月平均残業21.1時間

住友重機械イオンテクノロジー(東京都):同24.1時間

三井E&Sシステム技研(千葉県):同25.8時間

パナソニックシステムソリューションズジャパン(東京都):同24.8時間

NTTデータCCS(東京都):同20.5時間

残業月80時間だと不幸と感じやすくなる

■残業月80時間の暮らし:仕事中心の暮らし

時刻は22時半。もう少し頑張りたいけど、ぼやぼやしていたら、終電になっちゃう。と、慌てて帰ろうとする社員の姿は、典型的な「残業月80時間」の暮らしです。残業が月に80時間を超えてくると、人生の真ん中にあるものが「仕事」に変わります。

デザイナーやコンサルタント、広告代理店の営業のように「人」の力が仕事の成果に大きく関わる「労働集約型」の働き方を選んでいる方や、投資銀行のマーケットサイドのように、世界の株式市場が開くスケジュールで働く必要がある職種では、残業が月80時間に達することもあります。

また、「早く帰れる仕事に就いたと思ったら、実は管理職が業務を背負っていて、若手を早く退社させていた」という事例は、業界を問わず見られます。「激務なんて無縁だ」と思っている方も、昇進や異動で月残業80時間の労働環境に置かれてしまう可能性があります。

また、この残業時間だとギリギリ友人関係や夫婦関係は維持できるため、周りの人が享受しているホワイトな労働環境を知ってしまうと、自分が不幸だと感じやすくなることもあるでしょう。

■残業月200時間の暮らし:仕事と職場の仲間がすべて。気分は文化祭前日

最後に、筆者が経験した最大残業「月200時間オーバー」の世界を伝えたいと思います。

「トイレでどうやって仮眠する? え、トイレの床で眠る? それは結構エキストリームじゃない?」なんてジョークがかわされるのが、残業月200時間の会社です。

家には帰らない日もあり、椅子を交互に並べてベッドにします。あるいは、机の下で仮眠を取る人も。着替えは数日分持ち込んで、ハンガーにかけてあります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 6
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 10
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中