「残業時間別」で見た日々の暮らしと仕事のリアル 10時間、40時間、80時間、200時間──最も不幸を感じるのは?
飲みに行けるのは、早くて深夜0時。その時間から付き合ってくれる人は会社の仲間しかいません。だから、人間関係が社内で完結していくのが残業200時間の世界です。体か心を壊さない限り、仕事を心から楽しんでいる人も少なくありません。なぜなら、外の職種と比較できるほど、外との接点がないからです。正直、私が仕事を一番楽しんでいた時期は、これくらい働いていたときでもありました。
土日も仕事、お盆も仕事。結婚していれば家庭は、「崩壊する」か「相手は相手で独立してやっている」パターンに大きく分かれます。
残業が多い企業の見分け方
筆者は事務系の職種で、月230時間の残業で「あっ、これは続けたら死ぬな」と実感しました。これが、肉体労働での残業時間であれば、その負担は尋常ではないと思います。つい最近、新型コロナウイルスの治療にあたる医師の残業時間が月平均で295時間を記録したと報道されました。ここまで来ると、立っているのが奇跡といえるレベルです。
なお、残業は法律で月45時間が上限となっています。繁忙期などやむをえない場合のみ例外としてそれ以上の残業が認められていますが、それでも月100時間未満、2~6カ月の平均で80時間以内とされています。しかし、その法律の上限を超えて残業させる企業は依然として残っています。
さて、残業が多い会社を見分けるには、どうすればいいでしょうか。ヒントになるのが、「残業時間を開示しているかどうか」です。
書いていない=激務というわけではありませんが、仮に私が激務企業の社長だったとして、あえて応募者数が減りそうな情報をバカ正直に「弊社の残業時間は月130時間です」と公表したいとは思いません。
労働時間は業界や役職、時期で異なる
また、OBOG訪問をして、「前のお休みには何をされていましたか?」と質問するのもおすすめです。そこですぐに答えが出てこない社員が多いなら、休めないほど忙しいのかもしれません。
厚生労働省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」は見ておきたいものです。こちらは労働法に違反し、社名公開された企業が掲載されています。内定をいただいた後でも、念の為こちらをチェックして、万が一を防ぎましょう。
最後に、労働時間が短いことが絶対善でもなければ、「長く働いている人が偉い」わけでもありません。残業代未払いやパワハラなど法に反するものは言語道断ですが、労働時間は業界構造や役職、時期によっても大きく動きます。自分がどういう働き方だと幸せなのか、この記事をご覧いただきながら考えるきっかけになればと思います。