外出自粛で免疫力が落ちる!? 元祖・部屋トレ「囚人トレーニング」の健康効果
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<自粛生活で運動不足になると、免疫力が低下するおそれがある――。今の「コロナ時代」にこそ、世界中で支持されてきた「プリズナートレーニング」が効果的だ>
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、世界中のスポーツジムが閉鎖に追い込まれている。
日本でも、緊急事態宣言を受けて各地方自治体が「3密」の懸念があるスポーツクラブに休業を要請。ジム通いをしていた多くの人たちにとって、日常のトレーニングが継続不可能になりつつあるのが現状だ。
さらに定期的に運動をしていた人たちだけでなく、外出自粛は多くの人たちの健康にも影響を与えている。
直近の調査では、テレワークに切り替えた会社員は1日あたりの歩数がおよそ30%減っており、中には1日の歩数が70%ほど減って1日3000歩ほどしか歩いていないケースもあるという。厚生労働省が病気の予防として推奨する1日8000歩を大幅に下回る数値だ。
外出を控えることで感染リスクを減らすことはもちろん重要だ。しかし外出自粛による運動不足が、免疫力をむしろ低下させてしまうとしたらどうだろうか。
実際、質のいい睡眠を取ることと並んで、適度な運動をすることも免疫力を高める働きがあることがさまざまな研究から実証されている。
では、どうすればいいのか。この状況下で、一体どんな運動やトレーニングをすればいいのかと悩んでいる人も多いだろう。
そんな人にオススメなのが、いわゆる「部屋トレ」、自宅でのトレーニングである。
「強く」「健康」でありたいと願うどんな人にも効果的
現在のコロナ危機が始まるずっと前――すなわち「部屋トレ」なる言葉が生まれる前――から、「ジムは不要」「器具は不要」と言い切り、世界中のトレーニーから支持を集めてきた最強のトレーナーがいる。
その名は、ポール・ウェイド。自重トレーニング(自分の体重だけを使って行う筋力トレーニング)の伝道師だ。アメリカで凶悪犯を収監する刑務所を20年以上渡り歩いた「元囚人」である。
過酷な獄中生活を生き抜くために、刑務所内でキャリステニクス(自重トレーニングのこと)を習得し、鋼のような肉体をつくり上げた。タフな男たちから「コーチ」とまで呼ばれるようになり、出所後、筋トレ本を出版する。『プリズナートレーニング』(山田雅久訳、CCCメディアハウス)だ。
現在日本で4冊が出版されている「プリズナートレーニング」シリーズは、日本だけで累計15万部を記録。ジム通いのみならず、プロテインも不要とするウェイドのトレーニングメソッドは、2017年(邦訳版)の発売以来、多くの読者に影響を与えてきた。
このトレーニングの利点は、特別な装置を必要とせず、最小限の時間で実践可能、そしてどんな場所でも――監獄でも、自宅でも――できること。まさに今の「コロナ時代」に合った、「強く」「健康」でありたいと願うどんな人にも効果があるメソッドだ。