英会話習得の秘訣は「努力を続けること」、ではその「続ける」方法とは?
ハードルを絶対に失敗しないところまで下げるべき理由
クリアすべきハードルを、絶対に失敗しないところまで下げきろう。そう考えるヒントになったのが、小茂鳥氏自身が筋トレを習慣化しようとしたときの試行錯誤だったという。
小茂鳥氏は「明日から毎日1時間の筋トレをしよう」と考えて、24時間営業のジムに3回入会し、3回退会している。「毎日1時間の筋トレ」はまだまだ高過ぎるハードルだったのだ。こうした筋トレやダイエットの挫折については身につまされる人も多いだろう。
いくつかの挫折を経て、小茂鳥氏がたどり着いたのは、4回目の入会をした24時間営業のジムに、「ただ毎日通うことを30日間くり返す」ことからスタートする方法だった。徒歩5分の場所にあるジムにとりあえず行き、室内を1周して帰る。
え? たった、それだけ? と思うだろう。それだけなのだ。クリアしたら、次は「5分間、1種目だけ筋トレすることを30日間くり返す」。これもクリアできたら、次は「10分間、2種目、30日間」というふうに、ほんの少しずつハードルを上げていく。
簡単過ぎるタスクに挑むと、次のステップに進みたくて仕方がなくなる。そうした脳の働きを利用して、小茂鳥氏は筋トレの習慣化に成功したのである。
著書には、こうした苦い経験から生まれた習慣化のテクニックを英会話学習に応用するための具体的な道すじや工夫、スピーキングやリスニングの効率的な学習法が盛り込まれている。そして、後半には、メソッドを生かして、英会話を身につける実践パートも用意したという。
次に進みたくなるRPGの感覚でレベル100までクリアする
小茂鳥氏 究極的には、どんな方法でも英語に触れ続けていれば英語力は伸びます。でも、その伸びは髪の毛が伸びるのと同じように、自分では気付きにくい。昨日と今日の差が実感しにくいから、努力の継続は難しく、挫折しやすいんですね。
英会話学習に挫折してしまったという苦い思いを持つ人を減らすために、いちばん効果的で挫折しにくい方法を追求しています。本書の実践パートは英会話初心者や、何度も挫折してきた人に、楽しみながら「成功体験」を積み重ねてもらいたくて構成しました。
実践パートは、「外国人の友達をつくり、英語で会話できるようになる」ことを最終的なゴール(=大きな成功体験)に設定し、「小さな成功体験」を積み重ねる構成になっている。
レベル分けして記載し、3年後の自分像を日本語で手帳に書くレベル1からスタート。スマホを「英語表示」に切り替えるレベル12、好きな英語の歌をカラオケで完コピするレベル20と、小さなステップを100まで重ねていく。RPG感覚でレベル100までクリアしたとき、いつの間にか英会話力が身についているという仕組みだ。
グローバル化の中で、英語が話せないことが原因で不利益を被る人を減らしたい。あきらめずに勇気を持てば、必ず英会話は身につく――英語が苦手で、筋トレに何度も挫折してきた人物が編み出したスパルタメソッドというわけだ。
そのストーリーにはきっと、共感できるのではないだろうか。強靭な肉体も、流れるような英会話力も一日にしてならない。しかし、筋肉も語学も裏切らないのである。私たちが裏切らずに向き合い続けるかぎり。
『スパルタ英会話――挫折せずに結果を出せる最速学習メソッド』
小茂鳥雅史、梅澤 翔 著
CCCメディハウス
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