最新記事

キャリア

脳を覚醒させ、定年後も時代遅れにならずにいられる「メモ術」

2018年12月27日(木)17時05分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

これは思考メモというより設計書、提案書のたたきのようなものですが、結局は「何をどう言うのか」「なぜならどうだからか」をきちんとコトバ化して、枠囲いや矢印を使ってその順番や配置を考える、ということです。その意味では、これは最終アウトプットの発射台のようなものと捉えられます。

で、スマホメモの習慣をつけていくと、この最終フィニッシュのようなメモやノートはたやすくつくれるようになります。

なぜなら、先ほど示したように、思考メモの蓄えによって、最終アウトプットに備えた準備が十分できるからです。

次章でスマホメモのつけ方を解説します。

そして、その後の見返し(=反芻)の重要性、その後の活用の仕方を理解し、身につけていただくことで、さまざまな課題に対処する「自分知の百科事典」をつくり上げていけるのです。

思考メモづくりにおいては、受けた情報をどういう文章に落としたか、どう捉えたか、どんな知見になったかという過程がありますが、結局のところ私は、いかに思考をクリアに書き残すか、メモはそこが一番大事と思っています。

スマホメモはあなたの脳を覚醒させる

日々のちょっとしたことをスマホのメモ欄に書き留めていくと、知らぬ間にけっこうな量が溜まっていきます。そして、それを見返したりしていると、まったく違うことに関するメモがつながっていったり、メモに触発されてそれが今どうなっているのか実際にググってみたり、脳が次々に刺激されていくのがわかります。

私の体得したスマホメモの感覚というのは、今まで断片的に考えていたことが「次から次へとつながっていく感じ」、あるいは脳の中に断片として存在していたものが、それぞれ関連があることとして鎖のようにつながっていく感じ。これが一つです。

もう一つは、「世の中を捕まえに行きたいという欲求」が芽生える感じです。

先述のように、新聞などを読んでいる最中に、「ああっ、これはメモしたいな」という欲求が現れ、思わずスマホにメモしてしまう。結果として、新聞を読む量や時間が減るという生活になっています。

だからと言って、それは情報を取りに行くのを止めたということではありません。むしろ、積極的に情報を取りに行きたくなっている自分がそこにある。新聞を読んでいる途中で、これはメモしたいと中断していること自体、脳内の自分の問題意識を顕在化させて、興味ある何らかの情報をしっかりと脳に刷り込みたいという欲求の表出なのです。

よく図書館で新聞全紙を舐め回すように読んでいる人がいますが、あれは情報を取りに行っているようで行ってないというか、捕まえてないと思います。なぜなら、自分の問題意識との擦り合わせをしていないからです。

スマホメモは、情報を抜き出し、文字に落とすことで自分の脳と擦り合わせをしている。そこが重要なところであり、このインプットとアウトプットの境目でこそ脳が活性化される。私はそう気づいたわけです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

メキシコ・加・中、関税阻止できず 2月1日発動へ=

ビジネス

FRB元顧問を逮捕・起訴、経済スパイ共謀罪 中国に

ワールド

米、ヘリのブラックボックスも回収 首都空港付近のヘ

ワールド

ベネズエラ、米国人6人解放 マドゥロ大統領と米特使
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    老化を防ぐ「食事パターン」とは?...長寿の腸内細菌の育て方【最新研究】
  • 4
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 5
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 6
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 7
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 8
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 9
    またか...アメリカの戦闘機「F-35」が制御不能に「パ…
  • 10
    フジテレビ局員の「公益通報」だったのか...スポーツ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 7
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中