世界的潮流「ESG投資」とは何か、「なでしこ銘柄」は儲かるか
「なでしこ2018」一覧
こうして、48の「なでしこ銘柄」が選び出されました。
・水産・農林業、食料品......カルビー<2229>、アサヒグループホールディングス<2502>、キリンホールディングス*<2503>、味の素*<2802>
・鉱業、石油・石炭製品......石油資源開発<1662>
・建設業......大和ハウス工業<1925>、積水ハウス<1928>
・繊維製品......帝人*<3401>
・パルプ・紙......王子ホールディングス*<3861>
・化学......積水化学工業<4204>、花王<4452>
・医薬品......中外製薬<4519>
・ガラス・土石製品......TOTO<5332>
・鉄鋼......日立金属*<5486>
・非鉄金属......古河電気工業*<5801>
・金属製品......LIXILグループ<5938>
・機械......小松製作所<6301>、ダイキン工業<6367>
・電気機器......日立製作所<6501>、富士電機<6504>、オムロン*<6645>、セイコーエプソン*<6724>
・ゴム製品、輸送用機器......ブリヂストン<5108>
・精密機器......島津製作所<7701>
・その他製品......トッパン・フォームズ<7862>
・電気・ガス業......東京ガス<9531>、大阪ガス<9532>
・陸運業、倉庫・運輸関連業......東京急行電鉄<9005>
・海運業、空運業......日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>
・情報・通信業......野村総合研究所<4307>、KDDI<9433>、SCSK<9719>
・卸売業......双日<2768>、三井物産<8031>、日立ハイテクノロジーズ<8036>
・小売業......ローソン<2651>、丸井グループ*<8252>、イオン*<8267>
・銀行業......千葉銀行*<8331>、みずほフィナンシャルグループ<8411>
・証券、商品先物取引業......大和証券グループ本社<8601>
・保険業、その他金融業......SOMPOホールディングス*<8630>、アフラック・インコーポレーテッド*<8686>
・外国......東京海上ホールディングス<8766>
・不動産業......イオンモール<8905>
・サービス業......メンバーズ*<2130>、スリープログループ<2375>
このうち、6年連続で選ばれたのは東京急行電鉄<9005>とKDDI<9433>の2社。今回初めて選出された銘柄は14社で、社名の後ろに*を付けておきました。また、東証1部以外では、東証2部のスリープログループ<2375>が選ばれています。
なでしこに投資するメリット
それでは、なでしこ銘柄に投資するメリットは何でしょうか。わざわざ国と東証が選んでおすすめしているわけですから、これらの銘柄を買えば「儲かる」はずです。
「なでしこ銘柄レポート」によれば、なでしこ48社の運用パフォーマンスはTOPIXを上回っていることがわかります(経済産業省、東京証券取引所「平成29年度なでしこ銘柄レポート」より)。
業績パフォーマンスでも、売上高営業利益率、総資産利益率(ROA)、投下資本利益率(ROIC)はいずれも、東証1部銘柄の平均値と比較して高い傾向にあるようです。女性活躍への積極的な取り組みは、業績に対しても良い影響を与えていると言えるのかもしれません。
「なでしこ銘柄」に選定されることでマーケットの注目を集め、メディアなどで紹介されれば広告効果も期待できます。さらに、女性の活躍に焦点を当てたファンドに組み入れられたり機関投資家の注目を集めたりすることが、株価の下支え要因にもなるでしょう。
また、なでしこ銘柄は毎年選ばれますので、女性活躍を推進している企業がハッキリ明らかになります。このような企業に株式市場の支持が高まれば、企業側もより取り組みを進化させる → 企業価値がいっそう高まる、という好循環も生まれます。