最新記事
FRB

パウエルFRB議長解任までやったとしてもトランプの「利下げ」は悪手で逆効果

Donald Trump's Desired Rate Cuts Could Send Mortgages Prices Up

2025年4月21日(月)16時16分
ジェームズ・ビッカートン
FRBのパウエル議長

FRBのパウエル議長を解任すれば景気はよくなるとトランプは思っているのか REUTERS/Craig Hudson

<かつてニクソン大統領の下、アメリカの中央銀行が政治圧力に屈して利下げをした結果、もたらされたのは猛烈なインフレと20%の高金利だった>

ドナルド・トランプ大統領が、本当にFRB(米連邦準備理事会)のジェローム・パウエル議長を解任して利下げをした場合、アメリカ経済への信任が低下し、住宅ローン金利は下がるどころか上昇する可能性がある、とある経済アナリストが警告した。

金融メディアのレッドフィン・ニュースへの寄稿でこの警告を発したのは、かつてJPモルガン・チェース・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクターを務め、現在はアナリシス・グループの経済コンサルタントであるチェン・ザオだ。

今年1月20日に大統領に就任して以降、トランプは新たな関税を大々的に導入して外国勢力がアメリカを「搾取」するのを阻止し、製造業の雇用を回復させると主張したが、市場の反応が否定的だったため、多くの関税を撤回せざるを得なかった。

トランプは景気後退を恐れる株式市場の動揺を収めるため、FRBに金利を引き下げて景気刺激策を取るよう求めた。

だが今利下げをすればインフレを刺激する懸念もあり、FRBの反応は慎重だった。そこでトランプは4月18日、パウエルFRB議長の政策決定が「遅い」と非難し、「今すぐ解任しても早すぎることはない!」と脅した。

ビジネス
栄養価の高い「どじょう」を休耕田で養殖し、来たるべき日本の食糧危機に立ち向かう
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

情報BOX:ローマ教皇死去、各国首脳の反応

ワールド

プーチン氏側近「米ロの信頼回復必要」、北極圏協力再

ワールド

トランプ氏、国防長官に「全幅の信頼」と報道官 親族

ビジネス

米CB景気先行指数、3月は0.7%低下 関税巡る不
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 2
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投稿した写真が「嫌な予感しかしない」と話題
  • 3
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ページを隠す「金箔の装飾」の意外な意味とは?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 6
    「アメリカ湾」の次は...中国が激怒、Googleの「西フ…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    なぜ? ケイティ・ペリーらの宇宙旅行に「でっち上…
  • 9
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 10
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 7
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 8
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中