「関税ショック」で米経済にスタグフレーションの兆候、アメリカ独り勝ちはもう終わるのか?
<たかをくくらず>
仮にFRBが板挟みになれば、彼らの優先事項は明確だ。それはインフレだけでなく、インフレ期待を確実に制御し続けることだ。
1970年代の主な過ちは多分、一般市民の心理が将来のインフレに及ぼす役割を当局が十分に理解していなかったことにある。
その結果、ポール・ボルカー議長指揮下のFRBが1980年代から90年代にかけて信認を回復し、インフレ期待をリセットするには、懲罰的な高金利と2回の景気後退が必要となった。
パウエル議長は、この教訓を心に言い聞かせており、二の舞は避けると表明している。
パウエル氏は先週の記者会見で「70年代の再来や、それに似た事態が起こると考える理由は見当たらない。基調的インフレは依然として2%台で推移しており、関税に関連して若干上振れする可能性がある」と説明した。
それでもインフレ期待の安定は「われわれの政策の心臓部」に当たり、「全ての指標を極めて慎重に注視する。何事もたかをくくらない」と述べた。


アマゾンに飛びます
2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら