テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
Tesla's Worst Performing Markets As Global Sales Plummet

失速するテスラ...最も売上が落ち込んだ国はどこか? データで検証 Charlie Deets-Unsplash
<テスラの販売不振が世界各地で鮮明になっている。各国の最新データを基に、どこで最も売上が落ち込んでいるのかを検証した>
低炭素車の需要が目下、急増しているにもかかわらず、テスラ車は売上が急減している。その原因はさまざまだ。電気自動車(EV)業界における他メーカーとの競争激化に加え、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)の言動も一因だ。マスク氏が政治に執着しているせいで、一部の顧客と、不安を抱く投資家の気持ちが離れつつあるのだ。
売上低迷の報道が相次いだことが大きく影響し、テスラ株価はここ1カ月でおよそ28%下落した。米大統領選挙後の上昇分がほぼ相殺されそうな勢いだ。テスラ株価は、選挙後の2024年12月半ばに上昇して史上最高値を更新。これが大きく奏功し、株価は過去6カ月間で18%も伸びていた。
テスラ株価が下落している理由
アナリストたちの指摘によると、テスラの販売不振と株価下落には、マスク氏の行動が関係している。
マスク氏は、ドナルド・トランプ大統領が率いる米政権に深く関与しており、政府効率化省(DOGE)で政府のコストや職員の削減にあたっているほか、欧州の政治にも口出ししている。こうしたことが、テスラを支える顧客基盤の一部を遠ざけ、各地のテスラ工場やテスラ販売店での抗議デモに火をつけた。
しかし、テスラ車の需要が鈍化した根本的原因は、マスク氏だけではない。レガシーな自動車メーカーがEV業界に参入したことで競争が激化したほか、中国の比亜迪(BYD)をはじめとする海外EVメーカーが競争に油を注いでいる。