「関税男」トランプに迫る景気後退の足音── 1〜3月期の成長率予測がこれまでのプラスから-2.8%に悪化
Trump gets economic red flag one day before address to Congress
AP通信は2月28日の下落について、トランプ関税や個人消費の軟化が影響した可能性があると指摘した。
トランプは30日間の一時停止を経て、3月4日からカナダとメキシコに対する関税を発動すると発表した。多くの経済学者は、これらの関税が輸入品や住宅価格の高騰を招き、米国民の負担を増やすことになる可能性があると警告している。
米経済について懸念すべき兆候はこれだけではない。トランプによる関税発動の発表を受けて3日、ダウ平均株価は500ドル超下落した。
米投資顧問9i Capital Group(ナインアイ・キャピタルグループ)の創業者兼CEOであるケビン・トンプソンは3日、本誌に対して、トランプはアトランタ連銀の予測値について「大いに懸念すべき」だと述べた。
トンプソンは今回突きつけられた米経済の厳しい現状について、トランプとその支持者は「バイデンから引き継いだものだ」と主張するかもしれないが、「いずれその主張が説得力を持たなくなり、聞き流される時が来るだろう」と指摘した。
ボストン大学教授(財政学)のマーク・ウィリアムズは本誌に対して、「米経済の減速が進み景気後退に突入する可能性を示すデータが増えている。トランプ政権は警戒すべきだ」と述べた。
「トランプ政権は力強い経済成長と低インフレを掲げて選挙戦を戦ったが、各種経済指標は景気の減速と不確実性の増大、インフレ率の急騰を示している。7日には2月の雇用統計が発表される予定だが、この数字が思わしくなければ、景気減速のさらなる裏付けとなるだろう」