最新記事
投資

いま金の価格が上がり続ける不思議

Gold Is Back in a Big Way

2025年1月22日(水)20時15分
ニティシュ・パーワ(スレート誌ライター)
金の延べ棒

金価格は高騰を続けている NI LIFANGーVCGーGETTY IMAGESーSLATE

<米経済は好調、金利は高止まり、消費者心理は改善──現在の経済状況は金が高騰する条件とはほぼ真逆なのだが>

金(ゴールド)の価格が上がり続けている。1月10日、ニューヨーク金先物は1オンス当たり2700ドルを約1カ月ぶりに突破。その後も、さらに上昇が続いている。今まで金に興味がなかった一般のアメリカ人投資家の間でも、関心が高まってきた。

シティバンクやバンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースなどの強気な投資レポートでは、金が強く推奨されている。昨年の米大統領選でドナルド・トランプの陣営が運動グッズとして法外な価格で販売していた腕時計や、さまざまなグッズにも金メッキが施されている。


フェイスブックを運営するメタのマーク・ザッカーバーグCEOや、俳優・脚本家のジャスティン・セローなどのセレブが首にかけている金のチェーンは、白人男性の間で最新のファッショントレンドになった。会員制量販店のコストコにも金の延べ棒が並び、昨年には月に2億ドル相当を売ったと報じられている。

極右陰謀論者のチャーリー・カークやマット・ウォルシュ、キャンディス・オーウェンズらが主宰するポッドキャストのCMにも、金が登場する。もちろん、保守系テレビ局のFOXニュースやニュースマックスにも、金のCMはお目見えしている。

右派のSNSであるランブルや、トランプが設立したSNSのトゥルース・ソーシャルでは、トランプの顔をあしらった金メッキの延べ棒や、彼の肖像が刻印された金貨などが宣伝されてきた。どうやら金と右派メディアは、親和性があるらしい。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB総裁ら、緩やかな利下げに前向き 「トランプ関

ビジネス

中国、保険会社に株式投資拡大を指示へ 株価支援策

ビジネス

不確実性高いがユーロ圏インフレは目標収束へ=スペイ

ビジネス

スイス中銀、必要ならマイナス金利や為替介入の用意=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピー・ジョー」が居眠りか...動画で検証
  • 4
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 5
    欧州だけでも「十分足りる」...トランプがウクライナ…
  • 6
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 7
    トランプ就任で「USスチール買収」はどう動くか...「…
  • 8
    「敵対国」で高まるトランプ人気...まさかの国で「世…
  • 9
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 10
    トランプ氏初日、相次ぐ大統領令...「パリ協定脱退」…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 8
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 9
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中