最新記事
BOOKS

「行動すること」の重要性...世界的ベストセラーから竹田ダニエルが再発見した「チャンスをつかむ方法」とは?

2025年1月17日(金)12時20分
竹田ダニエル(ジャーナリスト)
本

Alexas_Fotos-pixabay

<その本には今の日本のあらゆる世代に、強く響く言葉が詰まっていた...。アメリカ在住の筆者が、スタンフォード大学発のロングセラー本を再読して気づいたこと>

私が『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』を初めて読んだのは、高校生の時だった。

newsweekjp20250115070705-d0f2acd43ac911812446ad56d978c6e7dc025fd9.png

当時は英語で読んだが、今回、日本語でその新版を久々に読み返しても納得のいく「人生アドバイス」が詰まった本。英語のタイトルは「What I Wish I Knew When I Was 20: A Crash Course on Making Your Place in the World」で、副題の方には「世界に爪痕を残す」「自分の居場所を作る」の2つの意味があると思う。

この2つは、違うようで共通する部分がある。自分にとって重要な意味を持つ何らかのことを「成し遂げ」、世界に爪痕を残すことで、「自分の居場所を作る」ことができるのだ。


 

このテーマから見えるようにこの本が伝えるのは、ただ待っているだけでは幸運もチャンスも成功も訪れない、ということ。

毎日の中で「モヤモヤ」とした不完全燃焼感を抱いたり、社会の中で居心地の悪さや狭苦しさを感じている人こそ、この本で紹介されるエピソードや「人生の秘訣」からヒントを得られるのではないだろうか。

スタンフォード大学と聞くと、アメリカのエリートのお金持ち学生というイメージを持つ人が多いかもしれない。しかし実際には、世界中から「チャンス」をつかむために、さまざまな野望を抱いた学生たちが集まっている。

私が今も通っているカリフォルニア大学バークレー校も、シリコンバレーの地域性的に似たカルチャーがある。ビジネススクールの授業で何度も繰り返し主張されるのが、「行動すること」の重要性だ。

とにかく行動する。確率を上げることで、成功の道が近づく。つまり、失敗を繰り返してはじめて、成功のレールに乗ることができる。多様な人種や価値観のあるアメリカにおいて、「成功」の定義は絞りづらい。

この本はスタートアップ企業やテック企業の起業家などの経験談、そしてスタンフォード大学の学生と接する中での筆者の個人的な経験談などを交えながら、幸せや成功を定義することなく、「チャンスをつかむ方法」を教えてくれる。

キャリア
企業も働き手も幸せに...「期待以上のマッチング」を実現し続ける転職エージェントがしていること
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国副首相が米財務長官と会談、対中関税に懸念 対話

ビジネス

アングル:債券市場に安心感、QT減速観測と財務長官

ビジネス

米中古住宅販売、1月は4.9%減の408万戸 4カ

ワールド

米・ウクライナ、鉱物協定巡り協議継続か 米高官は署
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中