働き手「1100万人不足」の衝撃...社会にもたらされる影響と、「危機を希望に変える」企業の役割とは?
「普通に頑張ればハッピーに活躍できる」組織や社会づくりに寄与したい
──古屋さんがリクルートワークス研究所で若手のキャリア形成・若手育成・労働市場などの研究を続ける原動力は何でしょうか。
2つあって、1つは人間の変化可能性への探究心です。人は置かれている環境によって力の発揮度が変わる。日常的に当たり前にできることの水準が高いという状況は、「高度の平凡性」と呼ばれます。この高度の平凡性が発揮しやすいよう、普通に頑張っていれば幸せに活躍できる組織や社会をつくりたいなと思っています。
2つめは、「人生100年時代」で寿命が延びることを社会全体でハッピーな状況と受けとめられるようにしたいという願いです。特に若い人と話をすると、寿命が伸びていくことを「仕事をたくさんしなければいけなくなる」とか「高齢化が進む」とネガティブに捉えている声が多い。働き手不足のような危機をむしろ契機にして、誰もがロングライフを楽しめる21世紀にできないか。そんな思いで研究に向かっています。