働き手「1100万人不足」の衝撃...社会にもたらされる影響と、「危機を希望に変える」企業の役割とは?

2025年1月7日(火)21時00分
flier編集部

企業がロボットフレンドリーな職場づくりを進めれば、人件費が高騰する中で過剰な人員を抱えなくて済む。その分、商品の値上げを抑えられてお客さんも喜ぶ。さらには、ブラックな労働環境が減り、従業員もハッピーになります。

──ロボットが動きやすいようオペレーションを変えていく発想が大事なのですね。


ユニバーサルデザインという言葉がありますよね。多様な人が利用できることを目指した建築・製品・情報などの設計を意味します。ロボットフレンドリーな職場づくりも同じ発想です。ファミリーレストランなら、ロボットが動きやすいように通路の幅を広くする、いすを固定式にする、といったデザインの工夫で課題解決できるんです。

自動化の例としては、医療従事者がリアルタイムで電子カルテを閲覧・編集できるようにするとともに、患者さんと医療従事者とのやりとりをAIが音声認識で自動的に記録する仕組みをつくった病院があります。この現場のDXにより、従来は看護師さんが1日1~2時間ほどかけて行っていた記入作業時間が減り、劇的に生産性が改善したそうです。

ただし、病院内に段差が多くてロボットを導入できないといった課題も聞きます。古い作りの病院ですと、清掃ロボットや患者への案内ロボットの稼働は難しいようです。こうした話を聞くと、今後「ユニバーサルデザイン2.0」の発想があらゆる職場で求められると感じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米政権、ハーバード大への助成・契約90億ド

ワールド

アルゼンチン貧困率、24年下半期は38.1%に急低

ワールド

豪中銀、政策金利据え置き 米関税の影響懸念

ワールド

イスラエル首相、「カタールゲート」巡る側近の汚職疑
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中