最新記事
禅語

「人との出会い、仕事との出会い、モノとの出会い──」 仏教が伝える人生における本当に大切な出会いとは?

2024年11月11日(月)17時55分
枡野 俊明 (曹洞宗徳雄山建功寺住職、庭園デザイナー) *PRESIDENT Onlineからの転載
「人との出会い、仕事との出会い、モノとの出会い──」 仏教が伝える人生における本当に大切な出会いとは?

TimeStopper69 - shutterstock -

<相手と同じ土俵にのらない、人間は自分のペースでしか能力を発揮できないから。「ときの縁」を呼び込むための下地をつくる方法>

仕事や人生で成功できる人は何をしているか。

禅僧の枡野俊明さんは「仕事でも出世でも、人より後れを取ると不安を感じる方も多いと思うが、『スピード』という同じ土俵にのってはいけない。『自分のペース』でものごとを行えば、よいパフォーマンスを発揮できる。禅では『本来の自己』を『主人公』といい、禅僧は自分のなかにある主人公に出会うために修行している」という──。

※本稿は、枡野俊明『迷ったら、ゆずってみるとうまくいく』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。


同じ会社で結婚は決して偶然ではない

「ときの縁」に逆らわない──ためらうとチャンスは逃げていく

人との出会い、仕事との出会い、モノとの出会い──。

人生には数え切れないほどの巡りあいがあります。

仏教では、すべての巡りあいを「因縁」と呼んでいます。私たちがいつもの会話で使っている “縁” のことです。

「ご縁があったら、またお目にかかりたいですね」
「いい縁に恵まれてよかった」
「あの人とは縁がなかったと思ってあきらめよう」

など、馴染みのある言葉ですね。

「因縁」というと、前世からの宿命のように感じ、「因縁の対決」「因縁の仲」「土地の因縁」など、あまりよい方向の言葉として使われませんが、本来はそうではありません。

因縁とは、ものごとを生む直接的な原因(内因)と、それを助ける間接的な原因(外縁)のことです。つまり、この世に存在するすべては、巡り巡ってつながりあっているということです。

たとえば、同じ会社に勤めていたことで知り合い、結婚したカップルは、たまたま偶然ではなく、社風に惹かれて同じ会社を選び、仕事ぶりだったり趣味だったりで意気投合する要素があったからこそ結ばれたのでしょう。それは、仏さまが導いてくださったご縁なのです。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

FRBの独立性強化に期待=共和党の下院作業部会トッ

ビジネス

現代自、関税対策チーム設置 メキシコ生産の一部を米

ビジネス

独IFO業況指数、4月86.9へ予想外の上昇 貿易

ワールド

カシミール襲撃犯「地の果てまで追う」とモディ首相、
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負かした」の真意
  • 2
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学を攻撃する」エール大の著名教授が国外脱出を決めた理由
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    日本の10代女子の多くが「子どもは欲しくない」と考…
  • 6
    アメリカは「極悪非道の泥棒国家」と大炎上...トラン…
  • 7
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 8
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「iPhone利用者」の割合が高い国…
  • 10
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 4
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 7
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 8
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 9
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 10
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中