ハリス氏惨敗の背景に「アメリカ中流階級の生活苦の悲鳴」が聞こえる
CASH CRUNCH
「最近の経済指標は景気後退の可能性が低いことを示しているが、高金利、多額の債務、物価上昇の影響は家計に大きくのしかかっている」と、米調査会社ウォレットハブのアナリストであるチップ・ルポは語る。
「年初は家計のクレジットカード債務が5000億ドルほど減ったが、だんだんと雲行きが怪しくなってきた。今後はもっとひどくなるだろう。例年、クレジットカード債務が最も増えるのは秋以降だから」
FRBは9月、4年半ぶりに利下げに踏み切ったが、やりすぎればインフレの再燃につながる恐れがあると、ルポは警告する。
「多額の債務と物価上昇の根強い不安には、慎重な金融政策で対処する必要がある。確かにほとんどの人は今のところ仕事に就いているが、相当なやりくりをしなければ、その仕事では生活していけない」
それに経済指標は良好でも、多くの家庭にとって、猛烈な物価上昇の痛手は簡単には消えないと、職場文化の専門家であるジェシカ・クリーゲルは語る。「マクロ経済指標は、普通の人たちが肌身で感じる日常を反映していない」
そんななか、今後の波乱に備えるためにも、人々は自分の内面に目を向けるべきだと、クリーゲルは言う。
「こうなったのは誰のせいだと考えるのではなく、これから自分に起こる可能性があることをコントロールするために、いま自分にできることに意識を集中して、賢い選択をしていく必要がある」
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