勝利見越した「トランプトレード」見られるが、米大統領選「どちらが勝っても短期的にリスク」
米株式市場は今週、大統領選と連邦公開市場委員会(FOMC)という2大イベントを迎える。 写真は10月にニューヨーク証券取引所で撮影(2024年 ロイター/Brendan McDermid)
米株式市場は今週、大統領選と連邦公開市場委員会(FOMC)という2大イベントを迎える。
5日の大統領選を巡っては、トランプ前大統領の勝利を見越した「トランプトレード」を背景にドル高、米国債下落、ビットコイン上昇といった値動きも見られるが、世論調査ではトランプ氏とハリス副大統領の接戦が続いており、一部の市場関係者は大統領選でどのような結果が出てもボラティリティーが上昇すると見込んでいる。
グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッド最高投資責任者は「どちらが勝利しても短期的にリスクがありそうだ」と指摘。トランプ氏が勝利すれば「事実で売る」のパターンでトランプトレードに利益確定の売りが出る一方、ハリス氏が勝てばトランプトレードが一斉に巻き戻されるリスクがあると述べた。
大統領選と同時に議会選も実施されるため、議会選の結果を受けて政治が中・長期的に市場にどう影響するか、投資家の間でさまざまな思惑が浮上するとみられる。
例えば、トランプ氏が規制緩和を進めるとの見方が強まれば、銀行が恩恵を受ける可能性があるが、関税が引き上げられれば国内で事業を展開する中小企業の追い風になる一方、市場全体のボラティリティーが高まるリスクがある。
アナリストによると、ハリス氏が勝利した場合、クリーンエネルギー政策を積極的に進めるとの見方で太陽光発電など再生可能エネルギー関連銘柄が値上がりすることが考えられる。