最新記事
寺社

「運を強くするにはどうしたらいいのか」...松下幸之助や稲盛和夫、一流の経営者に共通する祈りの正体

2024年11月7日(木)10時33分
八木 龍平 (社会心理学者・神社の案内人) *PRESIDENT Onlineからの転載
「運を強くするにはどうしたらいいのか」...松下幸之助や稲盛和夫、一流の経営者に共通する祈りの正体

lielos_photograph - shutterstock -

<「経営の神様」と呼ばれる経営史に名を残すビジネスパーソン達は神仏に熱心に祈っていた。彼らはいったい何を祈ったのだろうか?>

「祈っても得をしない」ことはわかっていたが...

パナソニック創業者の松下幸之助は、神仏に熱心に祈っていたことが知られている。

『成功するビジネスパーソンは、なぜ忙しくても神社に行くのか?』(PHP研究所)の著者である八木龍平さんは「願いごとよりも、自身の『あり方』『あるべき姿』を神様に誓い続けるのが、一流のビジネスパーソンに共通の『祈り』だ」という――。

※本稿は、八木龍平『成功するビジネスパーソンは、なぜ忙しくても神社に行くのか? 』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。


 

【パナソニックには「神社管理担当」の正社員がいる】

大手総合電機メーカー「パナソニックホールディングス」には、会社の中に神社があります。週刊誌『AERA』の記事(2018年1月15日号)に、頭を丸めた僧侶姿の田中観士さんの取材記事が掲載されていました。

名刺には、「パナソニック本社グループ人事・総務センター 祭祀担当」(当時)の肩書が。本社をはじめ、関西エリアの事業所に設置されている計24カ所の「社内社」の祭祀一切を仏式で任されているということです。

パナソニックといえば、創業者の松下幸之助氏は石清水八幡宮(京都府八幡市)、野田恵美須神社(大阪市福島区)の総代をお務めになられました。総代は信者の代表。野田恵美須神社がある地域はパナソニック創業の地で、松下氏自身、最後まで本籍を置き続けたゆかりの地です。

総代を務めただけだと、「信仰心の篤い方」という印象ですが、祭祀担当の社員が代々いるとまでなると、なぜそこまでと不思議に思われるでしょう。先の田中さんは5代目で、本社別館の「司祭室」に勤務し、毎朝出社とともに香をたき、袈裟に着替えるそうです。

なぜ松下幸之助氏は会社内に神社を建てたのか
同社はかなり戦略的に神様(龍神)を活用しており、守護神は本社の白龍大明神を中心に、黒・青・赤・黄と5色の龍神と下天龍王、善女龍王が祭られています。

本社:白龍大明神
旧松下電工グループ:黒龍大明神
旧松下電池工業:青龍大明神
自転車事業部:赤龍大明神
旧松下電子工業・旧松下産業機器:黄龍大明神
音響映像関係の事業場:下天龍王
西宮の松下幸之助邸宅(光雲荘):善女龍王
開発研究所:天照大神

新たな事業所の開設とともに龍神の社が守護神として建立され、一時期は130カ所以上にもなりました。現在は全国の事業所に約100カ所の社があり、全ての社で幹部・管理職が同席して毎月の月例祭がおこなわれています。

松下幸之助氏が会社内に神社を多く建てた狙いは、結局のところひとつと推測しています。それは、「運を強くする」ということです。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 8
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 9
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 10
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中