最新記事
寺社

「運を強くするにはどうしたらいいのか」...松下幸之助や稲盛和夫、一流の経営者に共通する祈りの正体

2024年11月7日(木)10時33分
八木 龍平 (社会心理学者・神社の案内人) *PRESIDENT Onlineからの転載

【採用面接の最後に「君は運が強いですか?」と質問した】

松下氏は、採用面接の最後に「君は運が強いですか?」という質問をしたそうです。そして「運が悪いです」と答えた人はどんなに学歴や試験結果がよくても不採用にしたと伝わっています。


 


運を意図的によくする方法があるなら、みなさんも知りたいだろうと思います。

松下氏の運をよくする原点は松下家ゆかりの守護神である白龍大明神でしょう。創業した際、和歌山市内の生家で祭られていたのを「御霊分け」し、以来、本社に祭られています。

企業経営と宗教、両者は全く関係なさそうですが、実は多くの日本企業が様々な宗教的行為を取り入れています。

以前、東京品川の高野山東京別院を訪れた時、コカ・コーラ関連の企業が社員研修をやっていました。高野山に伝わる阿字観という瞑想法をお伝えしているとのこと。その際、僧侶の方からトヨタの社員研修をされている旨も伺いました。

瞑想法は能力開発の一環と捉えられているようです。

神社の建立や祭祀も、企業経営で活用するからには、成果をあげてナンボでしょう。実際、成果につながることをこれからお示しします。

【社寺のある地域では、「住民の地域愛」が増す】

社寺参拝が主に効果を発揮するのは、次の2点です。

・より誠実に、より一生懸命に取り組む
・他者の利益のために動ける協力的な人間性を育む

私の書籍をお読みの方なら、よくご存じのことですが、社寺のある地域では、住民の地域愛が増します。ある対象を愛すると、愛した対象のために貢献したい意欲が増します。より誠実に一生懸命がんばるわけですから、結果も向上します。

※このアイデアの元データは、2008年の土木学会で鈴木春菜氏ら東京工業大学の研究室メンバー(当時)が発表した論文。515名を対象に地域愛着について調査し、多変量解析でデータ分析した結果、社寺のある地域は、住民の地域愛が増す一方、他の要素(ゲームセンター・パチンコ店、川や池、田畑、森林、ファミレス、鉄道駅、商店街、公民館、大型ショッピングセンター、コンビニ、スーパー、古いまちなみ)は影響しないことを確認したものです。公園は、社寺に次いで地域愛着を増す傾向があります。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中