最新記事
寺社

「運を強くするにはどうしたらいいのか」...松下幸之助や稲盛和夫、一流の経営者に共通する祈りの正体

2024年11月7日(木)10時33分
八木 龍平 (社会心理学者・神社の案内人) *PRESIDENT Onlineからの転載

【「神社のある会社」が成果をあげる理由】

私がよくご紹介しているパフォーマンス向上のプロセスは、

知る→愛する→貢献意欲が増す→パフォーマンスが向上する


 

パナソニックの龍神社をこのプロセスに当てはめると、神社のある会社は、社員の会社愛が増します。会社愛が増すと、愛した対象のために貢献したい意欲も増して、より誠実に全力で仕事に取り組み、成果も向上します。

愛する要因は、相手のいい部分を知ること。会社のいい所を知り、会社愛や職場愛が増せば、「この人たちのためになりたい」と、より誠実に、全力で仕事をして結果が出るのは自然の流れでしょう。

このように神仏に祈ることで身に付く「愛を持って生きる力」は、成功するための大切な力と共通点が多いです。その大切な力は、ペンシルベニア大学心理学部のアンジェラ・リー・ダックワース教授が提唱するGRIT(グリット)です。日本語で「やり抜く力」と定義されており、次の4つの要素から成り立ちます。

【神仏はあなたの「GRIT」(やり抜く力)を向上させる】

・Guts(ガッツ):困難なことにも立ち向かう度胸
・Resilience(レジリエンス):苦境にもめげずに立ち直る復元力
・Initiative(イニシアチブ):自ら目標を見つけて取り組む自発性
・Tenacity(テナシティ):最後までやり遂げる執念

神仏に祈ることで身に付く「愛を持って生きる力」は、GRITの4要素を大いに向上させることでしょう。

ダックワース教授は、IQなど生まれつきの才能や環境よりも、努力や継続の重要性こそが成功に重要だと説いています。その主張がどこまで妥当かは本書では扱いませんが、この「やり抜く力」も成功に重要な要素であることは間違いないでしょう。

同時に、やり抜けるモチベーションの問題は大きいと思います。大変な労力がともなうのですから、人はなかなか「やり抜きたい」とは思い続けられないものです。

だからこそ、社寺の存在が促す「愛を持って生きる力」の役割も大きいと言えます。愛する人たちのために人は努力し、困難な状態においても、最後まで「やり抜ける」モチベーションを持続できるのではないでしょうか。

自動車
DEFENDERとの旅はついに沖縄へ! 山陽・山陰、東九州の歴史文化と大自然、そして沖縄の美しい海を探訪するロングトリップ
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国との建設的な対話に全面的にコミット=ゼレンスキ

ワールド

米、ロシアが和平合意ならエネルギー部門への制裁緩和

ワールド

トランプ米政権、コロンビア大への助成金を中止 反ユ

ワールド

ミャンマー軍事政権、2025年12月―26年1月に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
特集:進化し続ける天才ピアニスト 角野隼斗
2025年3月11日号(3/ 4発売)

ジャンルと時空を超えて世界を熱狂させる新時代ピアニストの「軌跡」を追う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題に...「まさに庶民のマーサ・スチュアート!」
  • 3
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMARS攻撃で訓練中の兵士を「一掃」する衝撃映像を公開
  • 4
    同盟国にも牙を剥くトランプ大統領が日本には甘い4つ…
  • 5
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    テスラ大炎上...戻らぬオーナー「悲劇の理由」
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    ラオスで熱気球が「着陸に失敗」して木に衝突...絶望…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 2
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 3
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 4
    アメリカで牛肉さらに値上がりか...原因はトランプ政…
  • 5
    イーロン・マスクの急所を突け!最大ダメージを与え…
  • 6
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 7
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 8
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 9
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 10
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中