中国金融業界、規制強化で相次ぐ人材流出...お笑いに転身も
銀行関係者は供給過剰
規制当局は上場を目指す企業の審査を大幅に厳格化している。半導体など政府の戦略的分野に資金が流れるようにする狙いがあるが、ディールメーカーの機会を制限する結果となっている。
国内の上場はほぼ停止状態となり、KPMGによれば、上半期のIPO案件の資金調達額は前年同期比75%減少した。一方、米中関係をはじめとする地政学的緊張が海外上場に逆風となっている。
銀行関係者の供給過剰を反映して、企業のIPOを支援する金融機関やアドバイザーなど、8000社を超える登録済みのIPOスポンサーのうち、半数近くが今年1件も取引を完了していないことが、中国証券業協会の記録で明らかになった。
このような状況を踏まえ、かつて浙商証券に在籍していたベテランバンカーのGu Zaifeng氏は今年、山東省の農村で村の書記になることを志願した。Gu氏の出身大学である南京大学の同窓会は、IPOスポンサーだった同氏が上海での高給を諦め、草の根レベルで落ち着いたと指摘した。
証券業界全体では、22年末から社員の数が1万5000人近く減った。規制当局が業界の統合を推進しているため、この傾向は続くとみられる。
プラム・ベンチャーズの創業パートナー、Wu Shichun氏は現在コメディアンとしてよく知られている。
「微信(ウィーチャット)」のアカウントで放送されたお笑い番組で、「昨今、この業界のどこでも疲れ果てた投資家や生死の境をさまよう起業家に出くわす。このような困難な時期はありがたい。芸のネタになる」と語った。
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