FRB大幅利下げ、米市場の反応限定的...今後の相場変動を警戒
債券市場は反応
だが、債券市場では大きな値動きが見られた。10年国債利回りは前日比で7ベーシスポイント(bp)急伸。2年債と10年債の利回り格差は利下げ発表後に2022年7月以降で最大となり、投資家が長期的に物価上昇と景気拡大を見込んでいることを浮き彫りにした。
国債利回りは数日前に23年半ば以来の水準に急低下していた。
エバーコアISIのシニアマネジングディレクター、ジュリアン・エマニュエル氏は、利回り上昇に備えたポジショニングを推奨。FRBによるインフレ抑制の進展ペースが鈍化もしくは停滞する可能性があると述べた。
小型株は利下げ発表直後に反発したものの、横ばいで終了。ラッセル2000指数は発表後最初の1分間で1%近く上昇した。LSEGのデータによると、これは同指数の1分間の上昇率としては少なくとも過去3カ月で最大だった。
中小企業は一般に借り入れへの依存度が高く、利下げが実施されれば資金調達コストが減り、利益率と成長の支えになる。
カーソン・グループのチーフマーケットストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「特に小型株が急騰したが、これは来年も利下げを続けるというFRBの言葉を市場が信じている証拠だ。小型株の追い風となる可能性がある」と述べた。
だが、ラッセル2000指数の18日終値は0.04%高にとどまった。
FRBのパウエル議長は、米経済の強さを守るため、今回の利下げで「力強いスタート」を切ったと表明したが、大幅利下げを不安視する動きが見られる可能性もある。
野村キャピタル・マネジメントのポートフォリオ運用・クロスアセット戦略責任者マシュー・ロウ氏は「今回のイベントに賭けて買い持ちでこの日を迎えた投資家の間では、利益確定の動きが活発になるだろう。市場は、私たちの知らないどんなことがFRBを不安にさせているのかを見極めようとしており、株価が下落する可能性は十分にある」と述べた。
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