日本の水産物が海外バイヤーから注目を浴びる理由【FOODEX JAPAN 2024レポート】
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レセプションの中では、料理人と現場で活躍する漁業関係者によるトークショーも実施した。写真は、ブリ及びタイの取り扱いについて紹介する石川県輪島市の漁師の田井太也(たいたかなり)氏(中央)、同市で鮮魚店を営む中小路武士(なかしょうじたけし)氏、元公邸料理人の工藤英良(くどうえいりょう)シェフ
<アジア最大級の食品・飲料展「FOODEX JAPAN 2024」の機会を捉え、農林水産省が主催した「日本の水産物の魅力を伝える」ネットワーキングレセプション。国内外から多くの事業者、バイヤーが参加し、賑わいを見せた。参加した海外バイヤーの反応はどうだったのか>
「魚を食べる」習慣が世界に広がる中、高品質な日本の水産物への期待は高い――そう実感させるイベントが東京ビッグサイトで行われた。
世界中の食に関わる企業が参加する、アジア最大級の食品・飲料専門展示会「FOODEX JAPAN」。49回目となる今大会は、2024年3月5日から8日の4日間開催された。会期初日となる5日の夜、会場の一角で農林水産省が主催の「ネットワーキングレセプション」が開催された。
その目的は、日本の水産物の魅力を世界に紹介して、海外バイヤーとのビジネスマッチングの機会を創出することだ。
日本産水産物の魅力と輸出の現状
昨今、日本の水産物輸出は増加傾向にある。2012年に1698億円だった輸出額は、2022年には3873億円と10年あまりの間に2倍以上に増加している。
水産物輸出額の増加要因の一つとして、海外における日本食のレストランの増加が挙げられる。農林水産省が実施した調査によれば、海外における日本食レストランの数は、2013年の5.5万店から2023年には18.7万店に増加と、過去10年で3倍以上に増加している。
このほか、日本の水産物が世界でも屈指の高品質である点も大きいだろう。暖流と寒流が衝突する日本近海は、ノルウェー沖、カナダ・ニューファンドランド島沖に並ぶ世界三大漁場の一つ。世界屈指の漁業地帯である。
さらに、生食が一般的に行われてきた日本では、水産物の輸送手段として、鮮度を落とさない高度な冷凍技術が発展してきた。こうした点も、日本の水産物が他国よりも高品質な理由として挙げられる。
しかし、昨年8月のALPS処理水の放出以降、一部の国・地域による日本産水産物の輸入規制の影響で、日本の水産事業者は苦境を強いられている。日本の水産物市場はこれまでになかった市場の開拓を目指すことになった。
今回のレセプションは、そうした情勢も背景として、東南アジアやヨーロッパ、中東など、将来的に日本産水産物に対する市場拡大が見込まれる国・地域を中心に日本産水産物の魅力をアピールし、「輸出先の多角化」につなげることが狙いだ。では、実際に本イベントに参加した海外バイヤーたちの反応はどうだったのだろうか。
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