パックン流投資術「20年待てば、上昇確率100%」何もしない投資が一番の理由
Reward for Patience
いやいや、無理無理......って? そのとおりだ。
だが、先読みで勝負するとき、対戦相手はそういうことをやっているはずだ。
アメリカの株式取引の約8割は、機関投資家によるもの。日本もおおよそ、そのくらいの割合だ。株を取引するとき、あなたと逆の読みをしている人は「霊長類最強」級のトレーダーかも。
芸人の僕は短期の株売買でプロに勝てると思わない(ショートコントの勝負なら頑張るけど)。
そもそも社長的な作業もリスクも嫌だし、株価で一喜一憂したくない。オチているか気にするのはネタだけでいい。
しかし、経済的な安心を得るため、オーナーにはなりたい。そんな人へ勧めたいのが「インデックスファンド」。
日本の日経平均やアメリカのS&P500種などの株価指数と同じ株式構成の投資信託のことだ。
投資の正解は「待機&待機」
例えるなら、競馬で1頭の単勝に賭けるのが個別株の短期投資なら、インデックスファンドは全ての出走馬の馬券を持つようなものだ。
もちろん、そんな作戦は競馬じゃ成立しないよ。だが株式ならできる。競馬と株式は違う! だったら競馬に例えるなって? それはそうだが、この違いも理解していただきたい。
負けた人のお金で儲かるギャンブルと違い、株式市場は企業の収益や成長で儲かる。
「勝ち」ならぬ「価値」の世界だ。
企業同士の競争はもちろんあるし、失敗して消える会社もある。
だが、その傍らで勢いのある新しい「馬」が登場するし、こういうファンドは価値が上がる企業への投資額が自動的に増える仕組みになっている。その上、市場は拡大するので複数の「勝ち馬」がいて、先読みしなくても自然にそれらに乗れる仕組みだ。
競馬場で全ての馬券を買うなんてばかだが、この「全馬券投資法」はとても堅実だ。
では、ファンドを買ってからどうする?
正解は「待機」。
これも大事なリスク対策だ。上記のとおり、マーケット全体は強いけど、もちろん相場が下がることもある。だが、待てば待つほど上がる確率が高い。
例えば、アメリカの市場全体のファンドを適当に、タイミングを計らずに買って一定の期間を置いてから売ることにしよう。
歴史的に見ると、1日しか待たなければ買値より高く売れる確率は約52%しかない。コイントス並みのオッズだ。ただ1年間待てば上がる確率が約70%、10年だと約90%に上がる。20年待つと、なんと上昇する確率は100%なのだ。