パックン流投資術「20年待てば、上昇確率100%」何もしない投資が一番の理由
Reward for Patience
市場の成長に合わせて投資すれば、先見の明がなくても儲けられる MAKOTO ISHIDA; ILLUSTRATION BY MIRONOV KONSTANTIN/SHUTTERSTOCK
<朝から晩までマーケットを見張り、経済動向や会社業績をチェックして回る...そんなことしなくてOK。タレントでベテラン投資家でもあるパックンが教える「寝て果報を待つだけ」の儲け術>
社長にはなりたくない! ある調査によると、一般社員の9割がそう思っている。
分かる分かる。
今の時代、社長の主な仕事は謝罪会見だし。嫌だよね。社員のセクハラ、パワハラ、モラハラなどでいつ謝らなきゃいけないかと毎日ハラハラだろう。
それは冗談でも、社長の日常的な作業も特に興味はそそられない。
会議、人事、決算報告なんか気にしないで、もっと好きな分野(お笑いとか)でもっと楽しい作業(熱湯風呂に入らされたり、ワサビおにぎりを食わされたり)をやりたい!
そう思う若者の気分、分かる分かる。
でも、社長並みの経済的な安心は欲しいでしょ?
そう考えている方にご提案。社長でなく「オーナー」になればいい。
もちろん、投資の話だ。だって、そういう特集だよね?
まず、資金の確保からスタートだ!
いつも収入を全額使ってしまうのなら、投資に回す余剰金は生まれない。今すぐ生活費の予算を立て節約を始めよう。絶対に必要な経費(ニューズウィークの定期購読など)を守りながら余計な出費を削るのだ。
そこで役に立つのは「積み立て」。
投資資金が自動的に給料から天引きされるから、必然的に残った収入の中でやりくりすることになる。だから、特に衝動買いをするような誘惑に弱い方にお勧めだ。そんな方は、節約を始める前にまず僕の本の衝動買いもお勧めしたいけどね。
資金ができたら、次は投資先を決める。不動産や債券もあるが、歴史的な利益率で考えると株式がより魅力的。
しかし、優良株でも買う前にしっかり調べるべきだ。株主総会に通って、経営陣の能力を測って、決算報告書を熟読することが大事。
へ? 会議、人事、報告書? 結局社長の仕事と変わらないじゃん!って?
そのとおりだ。だから僕は、個別株の投資をあまりお勧めしない。
もっとお勧めしないのが、相場の変動を先読みしようとする短期の株式売買。
もちろん、上がりそうな株を見つけて買い、上がったところで売ることができたら儲かるよ。しかも、ちょっと不思議なことに、下がりそうな株を見つけて「空売り」すれば、これも儲かる。
先見の明さえあれば、ぼろ儲けできるよ!
しかし変動を読み間違ったらぼろ負けもする。
空売りは特に痛みが「空」じゃない。「地」の「獄」だ。
個別株の短期投資に挑戦するなら、とにかく情報収集と分析が本当に大事。経済記事を毎日読んで、朝から晩までマーケットを見張ろう。大学院に戻ってMBAを取得しよう。最先端のAI技術を活用しよう。大手企業の幹部に直接会ってマティーニでも飲みながら内部事情を聞き込もう。
つまり株に人生を懸けよう!