組織を滅ぼす「過剰な顧客第一主義」、適切ラインを見極めるため知っておきたい4つのポイント
■顧客データの活用
顧客ニーズを正確に把握するために、データを活用して行動や要望を分析し、適切なサービスを企画、提供することが重要です。
顧客データベースやフィードバックの分析から、傾向やニーズを把握し、それに応じた施策を講じていきます。
たとえば、これまでの実績や経緯を分析し、特別な場合とそうでない場合の対応内容や顧客の反応などを蓄積していくことが重要です。特別な要求にそのまま応えることはできなくとも、有効な代案を提案することで満足度を維持するといった知見は非常に有効でしょう。
同時に、情報を共有できる環境や意思決定プロセスの改善によって、組織内の情報が円滑に流れ、迅速な対応が可能となります。顧客側としては要求への対応度はもちろん、スピード感も重要な価値に感じられるはずです。
■社員の教育と意識向上
クライアントファーストを実現するためには、組織内のすべての社員がその重要性を理解し、組織の戦略や価値観に基づいた対応ができることが求められます。社員に対して適切なトレーニングや教育プログラムを提供し、顧客視点で考える力を養うことが重要です。
また、社員へのフィードバックや報酬制度の設計によって、社員のクライアントファースト意識を高めることも効果的です。
最後に
クライアントファーストと聞くと、何やらすばらしい表現に聞こえる側面もありますが、偏り過ぎてしまうとよくない影響が出てしまいます。
もちろん、クライアントファーストの考え方を実践すると、よい対応や考え方ができる場面もあります。ただ肝心なことは、顧客に評価されることと、事業が成長することのバランスを取ることであり、このバランスが失われては元も子もありません。
クライアントファースト絶対主義に陥らず、事業戦略のなかでどのように顧客満足度を向上させていくか? ということが、本質的な目的であることを忘れないようにしましょう。
[執筆者]
廣瀬信行
アクセンチュア 、マイクロソフトと技術・経営コンサルティング畑を歩む。同時に育児専門サービス企業の起業経験もあり、多角的に経営・事業運営を経験。現在LINE WORKS エバンジェリスト・地方創生 アーキテクトマネージャとして活動中。地方からの一人あたりGDP(収入/所得)向上および、健全なIT/デジタル投資対効果の実現がターゲット。財務的にプラスの効果がでない無駄なIT投資は徹底排除が信条。
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