東京電力など大手10社が仕切る日本の電力業界、「電気代を下げてくれるのは外資」と堀江貴文
写真:徳間書店提供
<カギは「仮想発電所(VPP)」――。誰もが知るあの米企業が本格参入すれば、日本の電気使用料金は大幅に下がると、実業家の堀江貴文氏は未来予想をする>
※本稿は、『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(堀江貴文・著、徳間書店)の一部を抜粋・再編集したものです。
EV(電気自動車)メーカーとして名を馳せるテスラ。だが、その真骨頂はEVの開発ではなく、バッテリーのマネジメントシステムにある。
いま日本には多くの電力会社があるが、実質的には東京電力を筆頭とした大手10社が仕切っている状況だ。今後、米企業のテスラがここに割って入り、その勢力図を塗り替えるかもしれない。
EVにとってバッテリーはその心臓ともいえるきわめて重要なパーツだ。バッテリー容量が小さいと自動車として用をなさない。だからテスラは試行錯誤を重ねて高性能なバッテリーを開発してきた。くわえて、エネルギー密度が高い反面、過充電すると爆発の危険があるリチウムイオン電池を制御する技術も確立させた。
そしていまやテスラのバッテリーはEVにとどまらず、家庭用の蓄電池としても使えるようになった。ようはスマートフォンのモバイルバッテリーの超巨大版のようなものだ。
2021年発売のテスラのEV「Model 3」のバッテリー容量は82kWh(キロワットアワー)。一般家庭(3人家族)における1日の平均電気消費量は約12.2kWhとされる(※1)。テスラのEVに貯めておいた電気だけで1週間暮らせるわけだ。
そうしたEVで培った技術を応用し、テスラは電力ビジネスに乗り出している。その象徴的な商品が、家庭用蓄電池の「Powerwall(パワーウォール)」だ。もちろん日本でも売られている。Powerwallの容量は1台13.5kWh、最大10台まで連結できる。
日本では夜間の電気使用料が割安になるサービスが数多く存在する。日中と違い、夜は電気が余りがちになる。だから電力会社は安値で供給できるのだ。その夜間電力を自宅のPowerwallに蓄電しておけば、月々の電気代の節約になる。