職場では「あえて負ける」──長い目で見ればプラスになる理由について
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<Google米国本社に勤務する主席UXデザイナーは47歳で入社した、韓国出身の女性。妥協を迫られても納得できる仕事をするために、覚えておきたいこととは?>
Googleの入社志願者は年間330万人。誰もが知る世界的企業の本社でトップに昇りつめたのは天才でも自信家でもない、しかも英語がネイティブでもない、47歳で入社したとても謙虚な韓国人女性だった。
仕事で妥協しなくていけないとき、何をどう譲歩したらいいのだろうか。「やるべきこと」と「やらないこと」について『悩みの多い30歳へ。世界最高の人材たちと働きながら学んだ自分らしく成功する思考法』(CCCメディアハウス)より抜粋。
仕事で妥協が必要になったときは、どこまで、何を、どのように譲歩すべきなのか、そして避けたほうがいいことは何なのか。妥協点を見つけるコツについてお話ししたいと思う。
やるべきこと
自社の収益構造を理解する
ザラで働いているのに「私たちはどうしてシャネルみたいな高級品を作れないんだろう」と悩んでいるとしたら、会社ではなく、自分がどんな会社に勤めているのかを把握できていない社員のほうに問題がある。
30万ウォンのスマートウォッチを作るときに、数億ウォンを軽く超えるパテック フィリップの時計を引き合いに出すのは、目的地を間違えてさまよっているようなもの。
ファストファッションの会社に勤務しているなら、自社製品のポジショニングと消費者層を狙ったデザインを生み出すことが最も重要だ。高級品のデザインをしたいなら、ラグジュアリーブランドに転職したほうがいい。
グーグルやフェイスブックの主な収入源は広告である。一般ユーザーが支払うお金でビジネスが回っているわけではないから、全面的に広告主が優先されるのは当然だ。高級感のある精巧な出来ばえより、クリック数を増やすためのアルゴリズムが重視される。
戦略的妥協のためには、何よりも自分の勤務する会社がどういう仕組みで収益を得ているのかを知っておかなくてはいけない。会社のビジョンが自分の哲学とどこまで一致するか、それが妥協のスタートラインになる。
全体像をつかむ
製品企画から発売後の顧客管理に至るまで、UXデザイナーが関与しないプロセスはない。
広告や説明書、アフターサービスセンターなど、ユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼさないものはないから、この世で最も出しゃばるべき職業はUXデザイナーではないかと思う。
だからこそ、部分的なデザインだけでなく、全体的な流れを把握しておきたい。携帯電話の機能の中で、問題になりやすいものを選ぶとしたら断然「設定」アプリだ。