加熱式たばこ「メビウス」、70円値下げの衝撃に隠された変化
西野氏は「日本人のお客様は、単に強い弱い、甘い苦いでは受け入れられない。味わいの先にある"複雑さ"を求める傾向にある」など、日本人の味覚の繊細さを意識しブレンドを行ったエピソードを披露した。
対して齋藤氏は「オリジナルカクテルの開発では、多くても10回程度。1000回の試喫には脱帽です」と舌を巻く。
日本人の味覚の繊細さに関して齋藤氏は、「味覚同様に繊細さを感じるのは嗅覚です。私のオリジナルカクテルで多く評価いただくのは味わい以上に香りであり、それは四季のはっきりした風土で季節の香りを感じ、繊細な味わいの食材を食べてきた日本人ならでは」と語った。
「たばこ葉のブレンドもカクテル作りも、日本人の繊細な味覚と嗅覚を意識して作るという意味では、共通点も多いですよね」
また、お互いがブレンドにおいて最も大切にしていることは何かと聞かれると、バーテンダーの齋藤氏は「会話の中からお客様の状態を自分ごととして把握し、いまお客様が欲しているであろう味と香りを実現した"自分だけの1杯"を提供すること」と回答。
対して西野氏は「私はたばこを食事やお酒同様、文化のひとつだと考えています。文化だけに終わりがなく、しかも加熱式たばこの味わいと香りの追求にはまだ伸び代はあるが、今回のリニューアルで喫味は十分に向上できたし、大きな一歩となったと思う」と応じた。
「今回のリニューアルが少しでもお客様の満足へと繋がり、たばこ文化へ貢献できたなら何よりです」
つまりは、ふたりともがユーザーの満足度を第一に考えるカスタマーファーストの信念を胸に、それぞれのフィールドでブレンドを行っているということだ。
さらに「今回ブレンドを手掛けた4銘柄の中でも、他の銘柄以上にプロトタイプを作成して試喫を多く重ね、味、香りともに満足度の高いたばこに出来た『ディープ・レギュラー』に思い入れがある」と西野氏が言えば、齋藤氏も「新旧銘柄を吸い比べてみて、最も味わいの進化と"本物のたばこ感"を感じたのが、『ディープ・レギュラー』でした。例えば、アイリッシュコーヒーやエスプレッソ・マティーニなど、たばことの相性が良い、コーヒーカクテルなどとのペアリングがお勧めです」と、提案した。
なお、味・香りの変更を行う必要がないと判断した「オプション」シリーズを含め、今回、「メビウス」の全8銘柄でパッケージも刷新された。
さらにはリニューアルに合わせ、「Ploom X」デバイスは4月30日まで、メーカー希望小売価格1980円(税込)が980円(税込)になるキャンペーンを実施している。大人の知性や落ち着きを感じさせる深い青色が特徴の数量限定カラー「ディープスカイブルー」も、同じくキャンペーンの対象となり、980円で販売中だ。
家計が逼迫する際、削減の対象となりやすいのが酒やたばこといった嗜好品だけに、この大幅な値下げは愛煙家にとって願ってもないこと。しかし、決して価格競争力を高めるためだけに値下げしたのではないことが、今回のリニューアルにかけるJTの意気込みとカスタマーファーストの姿勢から分かるだろう。