最新記事
投資

インフレをチャンスにできる人と、貧乏になる人...それぞれ共通するパターンがあった

2023年3月14日(火)17時47分
窪田 剛(オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師)

インフレ時代におすすめの「トレード型」

それに対して、「今すぐお金を増やしたい!」と思う人に向いているのが「トレード型」です。

トレードとは、「株価の値動きのパターンを見抜き、利益が出せそうなタイミングでお金を投じて利益を出す」という手法です。投資型に比べると「買う・売る」のサイクルがはるかに短く、1日から長くても2週間程度で売買を終了します。

投資型と違って「近い未来」を判断するため、株価チャートや売買代金といった株式取引に関するデータが重要になります。投資型で必要とされる企業や経済などの情報は、より短期間の株価の動きを知るにはあまり活用できないため、そうした分析は必ずしも必要ではありません。

短期間のうちに売買を繰り返すという特性上、利回りの可能性も大きくなります。年間でプラス100%(=元本が2倍になる)という数字も夢ではありません。ただし、それを実現するには、ふさわしい知識とスキルが必要なことは言うまでもありません。

数年という時間軸で売買を行う投資型では、成功も失敗も数年単位のため、なかなか次につなげることが難しいですが、トレード型の場合は日々、成功と失敗を繰り返していくことになるので、少しずつステップアップしながら利益を積み重ねていくこともできます。

毎月の給料にプラスするような感覚で株に取り組める「トレード型」は、インフレが進んでいるにもかかわらず賃金が上がらない「悪いインフレ」の今に、うってつけの方法と言えるでしょう。

「稼ぐ力」を身につけるために必要なこと

インフレは一体いつまで続くのか......と嘆くよりも、いち早くデフレマインドから脱却し、このインフレをチャンスに変える道を模索するべきです。その第一歩が、「貯金=安心」という呪縛から抜け出すことなのです。

ただし、何も学ばずに投資を始めることだけは絶対にしてはいけません。あらゆる投資にはリスクが付き物です。「投資型」または「トレード型」で株式投資に取り組むにせよ、あるいは、不動産投資を検討してみるにせよ、十分な勉強が必須。勉強せず簡単に稼げる方法など、どこにもないのです。

それでも、必要なことを学んで真面目に取り組むことで、自分の力で資産を増やすことができるようになります。給料が上がる希望など見えなくても、自らの「稼ぐ力」があれば、インフレ時代を楽しく生き抜くことができるでしょう。


230311tp_pkk.jpg

窪田 剛(くぼた・つよし)

トレーダー、投資家。オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」講師。数日から数週間保有するスイングトレードをメインに手がける。トレーダーとして日々相場と向き合うかたわら、エンジェル投資家としてベンチャー企業に出資したり、社会貢献活動にも力を入れる。スキーとサウナ、温泉とゲームが好き。著書に『株の学校』『株の学校 超入門』(いずれも高橋書店)がある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中