管理職不足になる中小企業の3つの特徴
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<管理職になると責任ばかり重くて権限が少ないから? 管理職が足りない状況に陥る3つの原因とは>
筆者の知人の経営者が「定年を過ぎても管理職として働いてもらった社員が、いよいよ退職を迎えるが次の適任者がいない......」と嘆いていました。その会社では、管理職候補の中堅社員はいるものの、その中堅社員の業務を引き継ぐ若手社員が不在なため、管理職への登用が難しい状況に陥っていました。
なぜこのような管理職不足になってしまうのでしょうか? そして、この状態を回避するためにはどうすればよいのでしょうか?
本記事では、中小企業診断士である筆者の経験をもとに、管理職不足に陥ってしまう会社の3つの原因をとその対策について考えてみたいと思います。
原因その1:会社で働く上での「長期的なキャリアパス」が不明瞭だから
そもそも社員の多くが早い段階で辞めてしまい、慢性的に人材が不足しているというケースです。要因としては、会社で働く中での最終的な目的や、そこへ向かっていくための道筋であるキャリアパスが不明確という場合が多いです。
「この会社で働き続けて、どのような業務経験を積んでいくことができるか」「経験や能力を身に付けた先にはどのようなキャリアに到達できるか」というようなことが明確でないと、「今の仕事の先にどのようなことがあって、その時自分はどのくらい成長しているか」というようなイメージがしづらくなるでしょう。そうするとキャリアの目標が設定できず、ただ日々の仕事をこなすだけになってしまうかもしれません。
会社で働き続けることで目指せるキャリアの目標が明確であれば、そこに向かって具体的な課題を設定して取り組むことができます。その結果、人材の成長にもつながっていくことでしょう。逆に、目標を持ちづらい環境であれば人材の成長が停滞し、気づいたら「管理職を担える人材がいない」ということが起こってしまうかもしれません。
■対策
例えば、若手・中堅・管理職といったように会社の階層を設定し、それぞれの役割・責任や具体的にどのような業務を担うかということを明確にするとよいでしょう。
そうすると「今の仕事がどこにつながっていくか」という成長の段階がイメージしやすくなり、「目標に到達するために不足していることは何か」というように課題を設定しやすくなります。課題を意識しながら日々の業務を行うことで人材育成を促し、将来的に管理職を担う人材を創出していくことにもつながっていくでしょう。