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「お金もちには、どうすればなれるの?」 子どもの素朴な疑問にあなたならどう答える?

2022年9月3日(土)13時05分
午堂 登紀雄(米国公認会計士) *PRESIDENT Onlineからの転載

自己決定力を高める

次に私が意識していることは、「本人に決めさせる」ことです。

毎日着ていく服、外食時に選ぶメニュー、文房具など、できる限り本人に決めさせ、親が先回りして介入したり選ばないようにしています。

なぜかというと、その判断の結果を検証し根拠を振り返る習慣が身に付くという期待を込めているからです。

たとえば親から「これにしておきなさい」と言われて判断する機会を奪われれば、自分で考える必要もなく、「は~い」と従うしかない。あるいは与えられるのが当然となる。

しかし自分で決めていいとなれば、自分が最も満足する方を選びます。そしてその結果がかんばしくなかったら、後悔するでしょう。

「何でこっちにしてしまったんだろう?」「何がいけなかったんだろう?」「次回はどうすればいいだろう?」と自分の判断の過ちを反省し、次に生かそうとします。

あるいは「自分で決めたことだから最後までやり抜こう」「自分で決めたことだからもう少しがんばろう」「自分で決めたことだから弱音を吐いてはいられない」などと、責任を果たそうとするかもしれない。

その結果が望ましくなくても、「自分で決めたことだから」と受け入れます。

自己決定は「納得感」となり、自己責任意識につながります。

決断と検証の思考習慣を持つことがお金持ちへの道

しかし誰かに決めてもらったものは、自分で決めたわけではないので振り返る必要がありません。判断の根拠もわからないから、反省のしようもありません。だから教訓も引き出せない。だから次に生かせられない。応用が利かない。

仮にその結果が不満だったとしたら、それは自分のせいではなく、それを決めた他人のせいにするでしょう。親が悪い、先生が悪い、上司が悪い、会社が悪い、政府が悪い、社会が悪い、というわけです。

お金持ちになぜ起業家や経営者が多いか、それは毎日が決断の連続だから、というのも要因の一つです。

自分で決めるからこそ、どうすれば最も満足度が高くなるか、有利になるか、不利を避けられるかを考えます。自分の判断を振り返り、次の判断の精度を上げようとします。

「経営者のカン」と言われるのは、積み重ねてきた仮説検証の蓄積が、瞬時の判断でも適切な意思決定になるということです。

そういう思考習慣を持ってほしくて、彼の判断を尊重するようにしています(まあ、期待通りになるかはわかりませんが)。

午堂 登紀雄(ごどう・ときお)

米国公認会計士
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒。大学卒業後、東京都内の会計事務所にて企業の税務・会計支援業務に従事。大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。現在は不動産投資コンサルティングを手がけるかたわら、資産運用やビジネススキルに関するセミナー、講演で活躍。『捨てるべき40の「悪い」習慣』『「いい人」をやめれば、人生はうまくいく』(ともに日本実業出版社)など著書多数。「ユアFX」の監修を務める。


※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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