ビットコインに再び勢い、暗号資産では「比較的安全」か
ビットコインが数ある暗号資産(仮想通貨)との競争の中で、再び勢いを取り戻している。写真はビットコインが利用できることを示すマーク。トロントで2014年5月撮影(2022年 ロイター/Mark Blinch)
ビットコインが数ある暗号資産(仮想通貨)との競争の中で、再び勢いを取り戻している。
暗号資産の先駆けであるビットコインは2021年に、「ソラナ」や「ポルカドット」をはじめ、何千にも上るオルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)の攻勢を受け、暗号資産市場が急激に分断化する可能性が高まった。
しかしビットコインはこれまで失ったシェアを取り戻し始めている。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢強化やウクライナ情勢を巡る懸念がある中、シェア首位のビットコインは相対的に安全と見なされ、投資家には魅力に映っている。
コインマーケットキャップによると、1兆6800億ドルに上る暗号資産市場でビットコインが占めるシェアは約42%と、2週間前の39%から上昇。昨年10月半ばに46%のピークを付けて以降、シェアが下降し続けていたが、初めて上向いた。
市場関係者はビットコインのシェア再拡大がトレンドとして定着したと判断するのは時期尚早だと指摘する。ビットコインは競合暗号資産より底堅いが、市場全体は1月に下落したからだ。それでもなお、13年の歴史があるビットコインが競合通貨よりも市場の慎重ムードの恩恵を受けやすい傾向が続くと見る向きもある。
スタック・ファンズ(シンガポール)のマシュー・ディブ最高執行責任者(COO)は「リスクオフが継続するならば、ビットコインは暗号資産市場の流動性を吸収することになるだろう」と予想。
大半の暗号資産は依然としてビットコインに追随しているが、一部のファンドマネジャーは今年は徐々に値動きのかい離、あるいはデカップリング(分断)が起き、さらなる差別化が必要になると見込んでいる。
暗号資産投資会社アルカ(Arca)のジェフ・ドーマン最高投資責任者(CIO)は、22年は昨年に比べて「かなり慎重で微妙な差異を付けた積極戦略」が必要になるだろうとの見解を示した。