再上昇する原油価格、歯止めかからず OPEC関係者「100ドル突破もあり得る」
国際エネルギー機関(IEA)の統計によると、昨年11月のOPECプラスの生産量は目標を日量65万バレル下回った。
ロシアのプーチン大統領は昨年10月、原油が100ドルに達してもおかしくないと発言。OPECプラスの指導者の1人として異例の具体的な価格予想を示した。
ゴールドマン・サックスは18日、北海ブレントが年内に100ドルを超える態勢にあるとの見方を明らかにした。
高まる熱気
OPECプラスの生産能力の制約は、石油生産業界全体が抱える問題の一角にすぎない。業界はコロナ禍による投資不足に苦しめられている。また欧州の石油大手企業は、クリーンエネルギーに軸足を移すよう迫られ、石油開発プロジェクトの投資を減らしつつある。
その結果、大幅な増産余力を持つのはサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラクといったごく少数の有力産油国だけになった。イランは日量100万バレル分の増産が可能とはいえ、米国の制裁発動のため少なくとも当面は市場から閉め出されている。
別のOPEC高官は、幾つかの供給面の支障としっかりした需要が原油高を引っ張っていると指摘。「市場の熱気が高まっている」と述べ、100ドル台に乗せるかどうかは分からないものの「供給不足が続けば、数カ月内に新型コロナウイルスが再び需要に打撃を与えない限り、価格は上昇していく」と言い切った。
需要打撃する懸念も
OPECとOPECプラスは、価格上昇のおかげで20年に急減した石油収入を取り戻すことができる。それでも一部の関係者は、あまりの高値には不安をのぞかせている。
あるOPECプラスの高官は「この水準では需要にリスクをもたらす。個人的な見方では、1バレル=85ドルを長期間上回るのは好ましくない。持続的な需要が伸びるにはいささか高い」と話した。同高官は、ジェット燃料の需要がパンデミック前の水準を下回っている間は、原油が100ドルになることはないと見込んだ。
(Alex Lawler記者)
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