最新記事

ビジネス

海外相手のビジネスで、上手くいかない人が陥りがちな「異文化の罠」とは

2021年6月29日(火)19時48分
flier編集部
グロービス・コーポレート・エデュケーション、マネジング・ディレクターの高橋亨氏

高橋亨氏 Toru Takahashi

<13年にわたり海外でビジネスを行ってきた著者から見て、日本人は「異文化」を意識し過ぎることで成功のチャンスを逃している>

※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

海外のビジネスパーソンと仕事をすると、それまでのやり方が通用せず、戸惑った経験がある人も少なくないでしょう。ですが、それは言語や国民性の違いからくるものでしょうか?

そう疑問を投げ掛けるのは、イランやシンガポールといった国々に駐在し、海外経験が長いグロービス・コーポレート・エデュケーション、マネジング・ディレクターの高橋亨さん。

今春刊行した『海外で結果を出す人は「異文化」を言い訳にしない』(英治出版)では、「異文化だから......」と日本人が陥りがちな罠や海外展開における心構えを、自身の実体験をもとに紹介しています。

今回は高橋さんをお招きし、株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリストである荒木博行さんが、Voicy「荒木博行のbook cafe」で対談を行いました。総合商社を経てグロービスへ転職したという共通点を持つお二人のトークを、再構成してお伝えします。

日本人はもっと活躍できる

荒木博行(以下、荒木) 高橋さんは商社時代にイランとベルギーに駐在、2002年にグロービスに転職されました。私は2003年にグロービスに入社したので1年違いでしたね。包容力のあるタイプの方だなと感じていました。その理由が、海外でのご経験に裏打ちされたものだと本書を読んで分かり、線でつながった気がしました。

『海外で結果を出す人は「異文化」を言い訳にしない』というタイトルはストレートフォワードでよく伝わります。本書に込めた思いをお聞かせください。

高橋亨(以下、高橋) 丸紅ではイランに3年、ベルギーに5年駐在し、グロービスでもシンガポールとタイで5年の計13年間、海外で働きました。その中で「日本人はもっと世界で活躍できる。良いものを持っているのに......」と感じていました。

日本人は、海外に行くと「ここはアメリカだからこうしなきゃいけない」とか「中国だからどう」と異文化に囚われ過ぎてしまい、本質を見失いがちです。

しかし日本人もいろいろな人がいるし、イラン人もアメリカ人もさまざまです。異文化というバイアスに囚われずにもっと事の本質を見るようにすると、より良い成果が出せるという、私なりの海外での体験やチャレンジを知っていただきたい思いで書きました。

荒木 日本にいても、そういう記号的なものが目に入ってしまうことってありますね。たとえば、女性だとか、生え抜きだとか、人はいろいろな記号を背負っています。ただ、そこにこだわっていると人間関係はうまくいきません。

4つの壁

荒木 本書にある「『異文化だから』で、見落としてしまう4つの壁」について、少しご説明いただけますか。

高橋 異文化を言い訳にしないためにどうすべきかを考えるうえで、4つの壁があります。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

独クリスマス市襲撃、容疑者に反イスラム言動 難民対

ワールド

シリア暫定政府、国防相に元反体制派司令官を任命 外

ワールド

アングル:肥満症治療薬、他の疾患治療の契機に 米で

ビジネス

日鉄、ホワイトハウスが「不当な影響力」と米当局に書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    トランプ、ウクライナ支援継続で「戦況逆転」の可能…
  • 5
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 6
    「私が主役!」と、他人を見下すような態度に批判殺…
  • 7
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 8
    「オメガ3脂肪酸」と「葉物野菜」で腸内環境を改善..…
  • 9
    「スニーカー時代」にハイヒールを擁護するのは「オ…
  • 10
    「たったの10分間でもいい」ランニングをムリなく継続…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 4
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達し…
  • 5
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 6
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 7
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 8
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 9
    【駐日ジョージア大使・特別寄稿】ジョージアでは今、…
  • 10
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 1
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 2
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命を…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 8
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 9
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 10
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中