グーグル提訴は序の口 IT企業の搾取的ビジネスモデルをどう規制するか
Time to Regulate Big Tech
しかし、ビジネスモデルが必然的に搾取的になるフェイスブックのような企業を、具体的にどうやって規制すればいいのだろうか。
インターネット分野で支配的なビジネスモデルは、膨大な量の個人情報や独自のネットワーク情報を無制限に収集し、効果的なコンテンツの配置や広告の配信のために、外部から見ると極めて不透明だが高度なアルゴリズムを使う。さらに業界全体の傾向として、民主主義的な規範の遵守などをことごとく犠牲にしても、プラットフォームの力強い成長を優先する。
こうした商業的な行き過ぎに、次期米政権は連携して対応しなければならない。
その第一歩は、連邦レベルの包括的なプライバシー法を制定することだ。2018年に成立し今年1月から施行されたカリフォルニア州の消費者プライバシー法は、州レベルで消費者保護を前進させる有意義な一歩となった。しかし、連邦レベルの一貫したアプローチがなければ、企業は州ごとに異なる継ぎはぎ状の規制に対応せざるを得ない。
ネット上で個人のプライバシーを保護するためには、ヨーロッパの一般データ保護規則(GDPR)のような枠組みが必要だ。GDPRは、消費者が個人データを効果的に管理できるようにして、EU全域で国際企業に対する規制環境を単純化したものだ。
プライバシーの保護とは、消費者が自分のデータ──およびそのデジタルな価値──を自分で管理できるようにすること。そして、消費者を商品に変えてデジタル広告主に販売するという商業的枠組みをオプトアウト、つまり、本人の意思でいつでも拒否できるようにすることだ。
無料サービスという欺瞞
次に、アメリカの規制当局は、あらゆる意味でインターネットの透明性を高めなければならない。大手IT企業は、ユーザーのどのような情報を収集しているか、本人にリアルタイムでは伝えていない。さらに、ユーザーのデータを処理して「行動洞察」を行っているが、洞察の内容や分析手法は明らかにしていない。
ピュー・リサーチセンターによると、アメリカの成人の79%が、企業が自分のデータをどのように収集しているかを懸念している。また、データ収集のリスクはメリットを上回ると考える人、そして企業が自分のデータを収集していることを自分がコントロールできていないと感じている人は、それぞれ81%に上る。
これらの背後にあるアルゴリズムについて、企業がこれまで以上に透明性を高めることは、技術的に不可能ではない。自ら実践する動機付けがなされていないだけだ。立法者と規制当局は企業に透明性を強制することができるし、そうするべきだ。